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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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かわいいといわないで 4

最終話になります。

今回は堂上の心情ということで、内容的には代わり映えしないです。

堂上の隠しているつもりの努力をお楽しみください(笑)

☆4☆からどうぞ。

場面は笠原が飛び出す前の、朝礼直後まで時間が戻ります。

拍手[73回]



☆☆☆


*************その4**************


その2あたりの堂上視点です。


短い朝礼をおえて、俺たちは班ミーティングに移った。
ミーティングは机を囲んで向かい合って行っている。

 なんとなく落ち着かない。
ちらちらと、ふんわりとした花が目の端に入ってしまう。

『まずい・・・今日の笠原はいつもに増して血色がよく、うっすらとピンクほっぺで・・・
短く切った髪から覗く耳朶も同じように染まっていて・・・やわらかそうな・・・』

くそっ!かわいい!

なるべく見ないようにしていても、きゅっと・・・郁と言う花を、堂上の視線は捕らえてしまう。
郁のほうは全くそのことに気がついていない様子で、時折首もとのリボンを気にしている。
その指先にも堂上の目が引っ張られる。

『いつもはシンプルな襟のシャツが多いいのに、今日のはひらひらとしてて・・・・
まずい・・・やはり・・・かわいい』

いかんいかん。業務業務。と目をそらし呼吸を整える。

『がんばれ俺の表情筋!』

「今日の伝達事項は以上だ」と言いながら・・・やはりちらと見てしまう。

『だから!「はい!」と笑顔で返事をするな笠原~~~~!!がんばれ~俺の表情筋!
あー俺、朝から何をやってんだろう。しっかりしろぉ篤!!』

それを先ほどから楽しんで見つめていた小牧が、何も言わないわけが無かった。

笠原に向かって「可愛い」と褒め始めやがった。

笠原も「え?なにいってんですか?」といいながらも笑顔がはじけている。
そこに運悪く、とっても運悪く!進藤が加わった。(心情のために呼び捨てです)
そして当然のように、似合ってると笠原を褒めている。笠原もうれしそうに笑顔を返している。


『うらやましいとか・・思ってないし・・・別に』

と心のベクトルを真逆にもっていこうとするが、そんな堂上の苦労を知ってか知らずか、進藤はそのままにはしてはくれなかった。

「なぁ?堂上?かわいいよな?」

『 判ってます!知ってます!かわいいってことは十分に俺が!!』

しかし進藤のその声に事務所にいる隊員たちからも

・・ホラ、かわいいって思ってんだろうがよぅ!言ってやれって!・・・という視線が送られてくる。
『そうだな、今日はいつもに増してかわいいぞ!とか言える訳ねぇし!!』

それでも表情筋は緩みそうなるのをおさえる為にため息が出る。
ふぅ~~~平常心平常心。

『「そうだな」の4文字ぐらいは言ってもいいんじゃないか?言えるんじゃないのか俺?そうしたら俺にもあの笑顔をむけて・・・』と思った瞬間に頬が緩みそうになり、気持ちを落ち着けるために深く呼吸をした。
ふぅ~~~~~~~

そのときだった。

笠原が「べっ別にっ無理に言っていただかなくても結構です!っていうか!教官にかわっ可愛いとかって言ってもらいたくもないですし!!では行ってきます!!」
とまくしたてたかと思うと、さっと事務所から出て行ってしまった。

そのときの笠原の表情。

『俺はそんな顔をみたかったんじゃない・・・さっきまで花が咲いたようだったのにナァ・・・』



「おい!堂上?」

緒形の声にわれに返った。
ファイルを受け取りながら、周りの「お前・・・やっちまったな」と言う視線を睨み返してから事務所を後にした。

『全く・・・なんなんだ?!俺だって言えたら苦労しないし!っていうかやっぱり言えないだろ~!』

俺だって!俺だって!喜ぶ瞳で見つめてもらいたいさ!と階段を八つ当たりするように駆け上がった。

会議室にきて呼吸を整えながらなるべく平常心で声をかけた。

「・・・おい。笠原」

振り向いた笠原の瞳・・・あの大きな瞳に涙の壁ができあがってくるのが判る。
きっと今にもこぼれそうだ。
遠くたって判るんだ。

だから考えるよりも先に笠原を呼んでいた。
その背後からは柴崎が小牧と同類の視線を送ってくるが、とにかく無視をする。



お前がかわいいなんて、とっくの昔に知ってんだよ。
戦闘職種だとか大女とか、・・・俺より背がでかいとか。そんなのは影響ないじゃないか。

「― 教官には言ってもらいたくもないですし」・・・先ほどの言葉が胸に痛い。

どうせ・・・俺には言えないけれど、言われたくないといわれればへこむ。

少しでも、わかって欲しい。
一体お前は、自分自身がどういう風に鏡に映ってみえるんだ?
頼むから、そんな顔をしないでくれ。

どうしたら伝わる?
ファイルを手渡しながら考えた。

「・・・言われたくないなら、そう思っていても言ってやらんから安心しろ!」

『言ってやらんから安心しろ!って何だ自分!!』

はぁ?とこちらを覗き込む笠原の目からは涙が消えていた。・・・チョットカワイイジャナイカ・・・

「言われたくないんだろ?だから!そう思っているが口にださん!といっているんだ!
わかったか!」
ってわからせて良かったんだっけか?

でも笠原がふっと笑った。

良かった。
そうだ、笑え。
笑ってくれ。

俺のことなんてどうでもいい。
ただ自分を卑下するのはやめて欲しいし、自分の魅力を自覚して欲しい・・・って!俺のことってなんだ?
つうかそう思ってるっていっちゃってるし俺!
ヤバイ。いろいろとヤバイ。がんばれ~~~!俺の表情筋!



事務所へ帰る階段で、俺の渡したファイルを胸に抱きしめる笠原の笑顔を思い出し、
やはり表情は緩んでしまう。
事務所に戻るまでの間は・・・ちょっとあの笑顔に浸ることにした。

『ん、今日はやっぱりいい日かもしれん』




「ぶはっ!!」

階段の下からもれてく笑い声に、表情筋の努力は必要なくなった。

「お前・・・いつからそこにいた!」

「ん?聞きたい?」

                                         END


次回のSS更新は、ハロウィンの番外編か、なにかをやります。
                              

(2014/0419改稿)
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旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
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