春風駘蕩
図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着
SS 指輪の理由 (2)
- 2010/09/30 (Thu)
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指輪の理由 (2)
午後の業務は市街哨戒だった。
堂上と二人で巡回する。
バス停の近くで堂上の動きが止まった。
その様子に堂上を見ると。
堂上の視線の先に、先ほどの女性がいて、笑いながらゼ身振り手振りで堂上に話かけているようだ。
「なっアホか!」
堂上の顔がさっと赤くなり、そのことが笠原の胸を冷たく刺した。
しっしっと手で払うフリをしながら、その場を足早に離れた。
特に異常もなく、無線での報告もすみ、二人はそのまま事務所へと向かった。
「なんだ笠原。・・・妙に今日は大人しいな。どうした。また、へんなもんでも喰ったか?」
明らかにからかいの口調で堂上に話しかけられたが、本当に心が動かない。
「別に。今日はよくそういわれるんですけど、普通です。」
どうしたんだろう私。なんでこんな気持ち?
そのあとも堂上に話しかけられるが、適当に「はい」とか「えぇ」しか口が動かない。
「まぁ具合が悪くないならいい・・・。」堂上は最後にそういうと、ため息をついてドアを開けた。
「ほら、先はいれ」
「アリガトウゴザイマス」
「日報かけよ」
「ハイカキマス」
自分でも驚くほど今日はペンがすすんだ。
どうした私?・・・・どうもしてない私。
「おう・・早かったな。いいぞあがれ。・・・・ゆっくり休めよ。」
事務所からあがるときの挨拶は、堂上も書類から顔を上げてちゃんと顔をみて挨拶をするが普通になっていたが・・・・
それが分かっているから、今日は顔があげられません。どうして?どうもしてないのに・・・。
「ハイオツカレサマデシタ」
笠原は顔をさげたままドア口で挨拶をして帰って言った。
昨晩は、御飯も食べずにそのまま寝てしまった。
朝早く起きてシャワーだけ浴びに行った。
お腹・・・すいているような気がするけど、口が動くきがしない。
でもとりあえず、食堂で食べた。
食べてても、柴崎には心配される。どうして心配なの?食べてるのに。
でも今日から館内業務でよかった。
朝のミーティングでも堂上に体調について聞かれるが、特に変わったことも無いので、
「変わったことなんてありません。いたって普通です」と答えた。
からからとカートを押して配架業務をこなす。
何も考えたくない。何も考えなくていい。
時々、堂上が心配顔で覗きに来る。
はいはい。ちゃんとやってるでしょ。と軽く無視をする。
何回目かで
「無理するなよ」とぽんぽんと頭を叩かれた。
やめてほしい。ぽんぽんなんて。
ほら、スイッチはいっちゃった。
昨日の光景が頭から離れない。
どうして?堂上教官はただの上官で、尊敬している相手で、追いつきたい相手で、
その人の心が誰に向こうが全く私には関係ないじゃない。
仕事だけの関係なんだし。
「あのー、すいません。L・M・ボストンって作者の・・・」
配架していた背後から突然声をかけられて、意識が浮上した。
「はい?何か?」
「えっと、L・M・ボストンって著者の・・・ってあら?あなた、あっちゃんの部下の笠原さん?」
「へ?」
「あぁごめんなさいね、昨日ほら、お昼に入るときにあっちゃんと・・・堂上君といた方でしょ?」
顔覚えの悪い自分なのに、なんで覚えてるんだろう。
「あ、ハイ。そうです。あの堂上教官もおりますから、呼んできましょうか?」
「あ~。いいのよ。もう用なしだし~。」
「え?」
「それより・・そうだ!笠原さんにも聞いておこうかな。あのさ、小学校高学年ぐらいの子が喜んで読む童話とかってない?できればまじめっぽいけど中身は面白い!みたいなの」
「え?あ。はい・・・えっと・・・。」
明るい笑顔におされて空のカートを押したまま、児童書のコーナーへと向かった。
「ばったり会えてラッキーだったわ!」と軽く腕に手を置かれて、どきりとした。
ふんわりと香る女性らしい化粧品の香り、そして綺麗に整えられた指に・・・・指輪はひとつも無かった。
やっぱり・・・そうなのかな・・・・
ふと視線を感じて顔を向けるとそこに堂上が立っていた。
あぁ、こういうところで会っちゃうか・・私。
3へ続く
午後の業務は市街哨戒だった。
堂上と二人で巡回する。
バス停の近くで堂上の動きが止まった。
その様子に堂上を見ると。
堂上の視線の先に、先ほどの女性がいて、笑いながらゼ身振り手振りで堂上に話かけているようだ。
「なっアホか!」
堂上の顔がさっと赤くなり、そのことが笠原の胸を冷たく刺した。
しっしっと手で払うフリをしながら、その場を足早に離れた。
特に異常もなく、無線での報告もすみ、二人はそのまま事務所へと向かった。
「なんだ笠原。・・・妙に今日は大人しいな。どうした。また、へんなもんでも喰ったか?」
明らかにからかいの口調で堂上に話しかけられたが、本当に心が動かない。
「別に。今日はよくそういわれるんですけど、普通です。」
どうしたんだろう私。なんでこんな気持ち?
そのあとも堂上に話しかけられるが、適当に「はい」とか「えぇ」しか口が動かない。
「まぁ具合が悪くないならいい・・・。」堂上は最後にそういうと、ため息をついてドアを開けた。
「ほら、先はいれ」
「アリガトウゴザイマス」
「日報かけよ」
「ハイカキマス」
自分でも驚くほど今日はペンがすすんだ。
どうした私?・・・・どうもしてない私。
「おう・・早かったな。いいぞあがれ。・・・・ゆっくり休めよ。」
事務所からあがるときの挨拶は、堂上も書類から顔を上げてちゃんと顔をみて挨拶をするが普通になっていたが・・・・
それが分かっているから、今日は顔があげられません。どうして?どうもしてないのに・・・。
「ハイオツカレサマデシタ」
笠原は顔をさげたままドア口で挨拶をして帰って言った。
昨晩は、御飯も食べずにそのまま寝てしまった。
朝早く起きてシャワーだけ浴びに行った。
お腹・・・すいているような気がするけど、口が動くきがしない。
でもとりあえず、食堂で食べた。
食べてても、柴崎には心配される。どうして心配なの?食べてるのに。
でも今日から館内業務でよかった。
朝のミーティングでも堂上に体調について聞かれるが、特に変わったことも無いので、
「変わったことなんてありません。いたって普通です」と答えた。
からからとカートを押して配架業務をこなす。
何も考えたくない。何も考えなくていい。
時々、堂上が心配顔で覗きに来る。
はいはい。ちゃんとやってるでしょ。と軽く無視をする。
何回目かで
「無理するなよ」とぽんぽんと頭を叩かれた。
やめてほしい。ぽんぽんなんて。
ほら、スイッチはいっちゃった。
昨日の光景が頭から離れない。
どうして?堂上教官はただの上官で、尊敬している相手で、追いつきたい相手で、
その人の心が誰に向こうが全く私には関係ないじゃない。
仕事だけの関係なんだし。
「あのー、すいません。L・M・ボストンって作者の・・・」
配架していた背後から突然声をかけられて、意識が浮上した。
「はい?何か?」
「えっと、L・M・ボストンって著者の・・・ってあら?あなた、あっちゃんの部下の笠原さん?」
「へ?」
「あぁごめんなさいね、昨日ほら、お昼に入るときにあっちゃんと・・・堂上君といた方でしょ?」
顔覚えの悪い自分なのに、なんで覚えてるんだろう。
「あ、ハイ。そうです。あの堂上教官もおりますから、呼んできましょうか?」
「あ~。いいのよ。もう用なしだし~。」
「え?」
「それより・・そうだ!笠原さんにも聞いておこうかな。あのさ、小学校高学年ぐらいの子が喜んで読む童話とかってない?できればまじめっぽいけど中身は面白い!みたいなの」
「え?あ。はい・・・えっと・・・。」
明るい笑顔におされて空のカートを押したまま、児童書のコーナーへと向かった。
「ばったり会えてラッキーだったわ!」と軽く腕に手を置かれて、どきりとした。
ふんわりと香る女性らしい化粧品の香り、そして綺麗に整えられた指に・・・・指輪はひとつも無かった。
やっぱり・・・そうなのかな・・・・
ふと視線を感じて顔を向けるとそこに堂上が立っていた。
あぁ、こういうところで会っちゃうか・・私。
3へ続く
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旦那もち子もち主婦。
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