春風駘蕩
図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着
SS指輪の理由 (1)
指輪の理由 (1)
あと少しで昼休憩と言う時間だった。
今日の館内巡回のバディーは堂上・笠原だった。
「今日は天候が良いのに、来館者が少ない気がしますね」
「ん。このところ雨続きだったから、主婦や年配者は午前中に家事を済ませてから出かけるらしいから、それでだろう。」
「え?家事って?」
「だから雨続きだったろ?洗濯とか掃除とか布団干しとかだな、午前中にやってから出かけるんだそうだ。
そうなると11時過ぎぐらいからになるらしい。」
へぇ~~教官ってなんでも知ってるんだなぁ~と納得したときだった。
「堂上君!」
その声に笠原も振り向いた。
「ああ、来たか、まぁ時間通りだったな。」
「なにようっ!時間通りって事が珍しいって感じ!!」
そう声をかけた女性・・・30代だろうか?落ち着いた茶系のカットソーにアイボリーのフレアスカートに薄ピンクの花柄が大きく書かれている。
ふんわりと首元のスカーフがピンク色で、彼女の顔色を引き立てていた。
堂上は笑いながら近づいていった。
「そりゃそうだろうなぁ・・・。」
「あ!もう!堂上君ったら!」
「おいっその君付けやめろよ気持ち悪いから・・。あ、ちょっと待ってろ。」
くるりと笠原に向き直り、早足で近づいてくると
「笠原、5分ほど早いが昼休憩にはいれ。」
腕時計を指しながら言うと
「笠原?」
「あっはい!了解しました!ごゆっくり!!」
「あほ!声がでかい!館内だぞ!」と控えめながら強い口調で叱られて、
「・・・すいませんでした。」と余計に気持ちの下降に加速がつく。
「わかればいい。遅れるなよ。」
そういうと、堂上はうつむいたままの頭に手が伸ばしたが、ふとやめてそのままポケットにいれた。
うつむいていてもそのしぐさが判ってしまう。痛い。なんか痛い。
「じゃぁな」
堂上はそのまま待たせている女性のところに小走りで戻っていった。
「笠原?かーさーはーら!」
柴崎は憮然と立ち尽くす彼女に軽く体当たりをしながら話しかけた。
「何?どうしたの?お昼行かないの?」
「え?あぁ行くよ~~。もうぺっこぺこ!」
「ささっ!行きましょう!」
呆然と立ち尽くしてしまった理由にも、なぜ後ろ髪を引かれる思いで自分が歩いているのかも、
まだ気がついていない郁に対して、一部始終をみていた柴崎は、そっとため息だけを漏らした。
「ねぇねぇ。篤。さっきの子!可愛い子だったじゃないの。何?部下なの?」
「あぁ?可愛いか?アレが?」
「またまた~~~!隠し事ができるとでも思ってんの~~?」
「ったく!ほらこっち来いよ!」
彼女のひじをつかんで、書架の間をずんずんと堂上は歩いた。
「もう痛いから離してぇ~~!」
小声でも明るい会話のやり取りは目立った。女性の相手は堂上二正だからだ。
食堂では柴崎と、あとからやってきた小牧・手塚と一緒に座って食事をしていた。
「あ、ねぇねぇ笠原!ちょっと!ちょっと!!」
テーブルの端から手招きをして呼んでいるのは、同期の防衛部の女子だ。
「何?」
「いいからっ!」
横に座っている小牧に
「すいません。中座します」と声をかけて席をたった。
「いいよかまわないで。」と言う小牧の声は優しいが、目は笑っていない。
それは目の前の柴崎も同じだった。
「何?食事中なのに~~!」
「ゴメン笠原!あのさ、今さ業務部の子達がね、堂上二正の恋人が来館してて、堂上二正が彼女の腕をひっぱって連れてったって言うんだけど・・・本当?!ねぇ笠原知ってたの?!」
「ちょっと!え?・・・・あ~。」
先ほどの女性だとすぐにわかった。
手をひぱって・・・。恋人・・・。
笠原の頭の中には、先ほどの女性と仲良く手を繋ぐ教官が楽しそうに闊歩している。
・・・・。
「ねぇ!笠原!」
詰め寄る彼女は堂上に恋心を抱いているらしい。軽く涙目だ。
その表情にも笠原は動揺した。
「ねぇねぇ!面白い話だけど・・・堂上教官ファン筆頭のこのわたくしが知らないって事無いんじゃない?」
「柴崎!!本当?」
固まる笠原の背後から抱きつきながら柴崎が明るく答えた。
「えぇ。たぶん彼女なんて先月まではいなかったわよ。」
「先月って!もう今月は二週間も終わってんのよ!古いよ!情報がぁ!」
「はいはい。慌てないのよ。笠原に詰め寄っても情報はでてこないから、待ちなさいよ。
がっちり確かなことは調べてお伝えしますわよ!」
「・・・柴崎、その右手のお金マークは・・。」
「もちろん、有効な情報にはそれなりの報酬がねぇ!」
「わかった!なんかご用意させていただきます!」
「請け負った!」
目の前で同期二人が華やいだ雰囲気で方を叩きあうのを、笠原は見つめていた。
「ほら、席に戻るわよ。御飯をお替りするなら時間無くなっちゃうわよ!」
ぐいっと手を引っ張られて席に戻った。
「笠原さん?どうしたの?」
「え?あぁ何でもありません!」
「そう?なんか今日は食べる勢いが・・・ないね?」
「勢いってなんですか?」
「いつもは吸い込まれるような勢いがあるじゃない?今日はおとなしいっていうか」
「別にいつもと変わらないですよ?」
笠原は小牧ににっこりと笑っていって見せた。
大丈夫、私・・笑えるし・・・ってなんで大丈夫とか気にしてんの?私・・・。
あと少しで昼休憩と言う時間だった。
今日の館内巡回のバディーは堂上・笠原だった。
「今日は天候が良いのに、来館者が少ない気がしますね」
「ん。このところ雨続きだったから、主婦や年配者は午前中に家事を済ませてから出かけるらしいから、それでだろう。」
「え?家事って?」
「だから雨続きだったろ?洗濯とか掃除とか布団干しとかだな、午前中にやってから出かけるんだそうだ。
そうなると11時過ぎぐらいからになるらしい。」
へぇ~~教官ってなんでも知ってるんだなぁ~と納得したときだった。
「堂上君!」
その声に笠原も振り向いた。
「ああ、来たか、まぁ時間通りだったな。」
「なにようっ!時間通りって事が珍しいって感じ!!」
そう声をかけた女性・・・30代だろうか?落ち着いた茶系のカットソーにアイボリーのフレアスカートに薄ピンクの花柄が大きく書かれている。
ふんわりと首元のスカーフがピンク色で、彼女の顔色を引き立てていた。
堂上は笑いながら近づいていった。
「そりゃそうだろうなぁ・・・。」
「あ!もう!堂上君ったら!」
「おいっその君付けやめろよ気持ち悪いから・・。あ、ちょっと待ってろ。」
くるりと笠原に向き直り、早足で近づいてくると
「笠原、5分ほど早いが昼休憩にはいれ。」
腕時計を指しながら言うと
「笠原?」
「あっはい!了解しました!ごゆっくり!!」
「あほ!声がでかい!館内だぞ!」と控えめながら強い口調で叱られて、
「・・・すいませんでした。」と余計に気持ちの下降に加速がつく。
「わかればいい。遅れるなよ。」
そういうと、堂上はうつむいたままの頭に手が伸ばしたが、ふとやめてそのままポケットにいれた。
うつむいていてもそのしぐさが判ってしまう。痛い。なんか痛い。
「じゃぁな」
堂上はそのまま待たせている女性のところに小走りで戻っていった。
「笠原?かーさーはーら!」
柴崎は憮然と立ち尽くす彼女に軽く体当たりをしながら話しかけた。
「何?どうしたの?お昼行かないの?」
「え?あぁ行くよ~~。もうぺっこぺこ!」
「ささっ!行きましょう!」
呆然と立ち尽くしてしまった理由にも、なぜ後ろ髪を引かれる思いで自分が歩いているのかも、
まだ気がついていない郁に対して、一部始終をみていた柴崎は、そっとため息だけを漏らした。
「ねぇねぇ。篤。さっきの子!可愛い子だったじゃないの。何?部下なの?」
「あぁ?可愛いか?アレが?」
「またまた~~~!隠し事ができるとでも思ってんの~~?」
「ったく!ほらこっち来いよ!」
彼女のひじをつかんで、書架の間をずんずんと堂上は歩いた。
「もう痛いから離してぇ~~!」
小声でも明るい会話のやり取りは目立った。女性の相手は堂上二正だからだ。
食堂では柴崎と、あとからやってきた小牧・手塚と一緒に座って食事をしていた。
「あ、ねぇねぇ笠原!ちょっと!ちょっと!!」
テーブルの端から手招きをして呼んでいるのは、同期の防衛部の女子だ。
「何?」
「いいからっ!」
横に座っている小牧に
「すいません。中座します」と声をかけて席をたった。
「いいよかまわないで。」と言う小牧の声は優しいが、目は笑っていない。
それは目の前の柴崎も同じだった。
「何?食事中なのに~~!」
「ゴメン笠原!あのさ、今さ業務部の子達がね、堂上二正の恋人が来館してて、堂上二正が彼女の腕をひっぱって連れてったって言うんだけど・・・本当?!ねぇ笠原知ってたの?!」
「ちょっと!え?・・・・あ~。」
先ほどの女性だとすぐにわかった。
手をひぱって・・・。恋人・・・。
笠原の頭の中には、先ほどの女性と仲良く手を繋ぐ教官が楽しそうに闊歩している。
・・・・。
「ねぇ!笠原!」
詰め寄る彼女は堂上に恋心を抱いているらしい。軽く涙目だ。
その表情にも笠原は動揺した。
「ねぇねぇ!面白い話だけど・・・堂上教官ファン筆頭のこのわたくしが知らないって事無いんじゃない?」
「柴崎!!本当?」
固まる笠原の背後から抱きつきながら柴崎が明るく答えた。
「えぇ。たぶん彼女なんて先月まではいなかったわよ。」
「先月って!もう今月は二週間も終わってんのよ!古いよ!情報がぁ!」
「はいはい。慌てないのよ。笠原に詰め寄っても情報はでてこないから、待ちなさいよ。
がっちり確かなことは調べてお伝えしますわよ!」
「・・・柴崎、その右手のお金マークは・・。」
「もちろん、有効な情報にはそれなりの報酬がねぇ!」
「わかった!なんかご用意させていただきます!」
「請け負った!」
目の前で同期二人が華やいだ雰囲気で方を叩きあうのを、笠原は見つめていた。
「ほら、席に戻るわよ。御飯をお替りするなら時間無くなっちゃうわよ!」
ぐいっと手を引っ張られて席に戻った。
「笠原さん?どうしたの?」
「え?あぁ何でもありません!」
「そう?なんか今日は食べる勢いが・・・ないね?」
「勢いってなんですか?」
「いつもは吸い込まれるような勢いがあるじゃない?今日はおとなしいっていうか」
「別にいつもと変わらないですよ?」
笠原は小牧ににっこりと笑っていって見せた。
大丈夫、私・・笑えるし・・・ってなんで大丈夫とか気にしてんの?私・・・。
PR
この記事へのトラックバック
トラックバックURL
リンク
カテゴリー
カレンダー
カウンター
それなりに
旦那もち子もち主婦。
明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。
心は16歳と言い切る図太さをもつ。
基本的にアレルギー体質。
右と左を間違える。
「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。
埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
HN:
まるちゃ
性別:
女性
趣味:
なにかつくること


この記事へのコメント