春風駘蕩
図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着
SS 二人で海へ行ったあと・・・。
恋人時代
帰ってきました。やっと。
エンジンを止めても、起きる気配のない彼女。
指をそっと彼女の髪をすくう。
三日間一緒だった。
そっと頬を撫でる。
なんだか色々塗ったくっていたが、やっぱり少し焼けたようだ。
二晩一緒だった。
幼い寝顔も、俺にしか見せない顔も、独り占めにできた。
だが・・・また日常が始まる。
「独り占め」の時間が特別なことではなく。
一つの扉の先に、日常としてあって欲しい。
ちゅっ「郁?」
「い・く」ちゅっ
「・・・・ん・・・きょうかん?」
「なんだ?」ちゅっ
「ん!ぬぅ~ん!んんん!!」
ちゅぱっ
「もう!ここ基地の駐車場じゃないですか!!」
「あぁ」
「あぁってもう!」
「目が覚めただろ?」
「もう~!」
「なんだよ。だめか?」
「う~!ダメ・・じゃないけど・・・恥ずかしいからやっぱりだめ!」
「はははっわかったわかった。さぁ荷物おろそう」
「はぁい」
教官の笑顔。
それはまだ私にとっては反則技。
もう旅行は終わりなんだ・・・。そんな心の重りが少しづつ増すのを防いでくれる。
寮まではなんとなく無言になった。
砂時計の落ちる砂の音が聞こえそうだ。
「あれ?今戻ったの?」
その声に振り向くと小牧が立っていた。
「なんだそっちも今か?」
「あ小牧教官!」
「おかえり笠原さん。少し焼けたね」
「小牧教官も今お帰りですか?」
「うん毬江ちゃんを家まで送ってね。はいこれ、毬江ちゃんから、柴崎さんにも渡してくれる?高原のお土産。」
胸ポケットから土産物屋の小さな包みを出して渡した。
「わぁ!ありがとうございます!あ!私も毬江ちゃんに撰んだのがあるので、渡してもらっていいですか?」
「いいよ。ありがとう。」
「俺からは部屋に戻ってからな」
「あぁ。堂上、笠原さんと名残惜しいだろうから、先に戻ってるよ!ごゆっくり!」
「えぇっ!」
「あぁとっとと行け!」
「のぉぇ!」
「消灯までには解放してあげなよ?は~んちょ!」
「あぁ」
「えぇ?あぁってあんた!」
「お前声がデカいんだよ!冗談に決まってるだろうが!」
「えぇっっ!冗談?」
「あっはっはっは!笠原さん可愛い~!」
「アホ!」
「えぇ~!もうっ!」
しかし気が付くと、小牧は姿を消しており、寮の玄関の明かりが、二人の顔を微かに照らしていた。
「きょうかん・・・」
「なに泣きそうになってんだ?・・・からかって悪かったな。」
「そうじゃないの・・・」
「じゃあ・・・なんだ」
「明日も会えますよね?」
「当たり前だ!・・・遅刻するなよ」
「しません!」
「・・・そうだな。彼氏からのお願いだ・・・明日はなるべく早く出勤しろ。」
「へ?なんかありましたっけ?」
「いや、だから・・・『彼氏からのお願い』だ・・・。
三日も一緒にいたんだ。目が覚めたらなるべく早く顔がみたい。」
「・・・・!」ちゅっ!
驚く彼女の頬にキス!
堂上は足早で寮の玄関まで行き。ドアを開いた。
「ほら!行くぞ!」
「ひゃっ!はっはいっ!!」
この声に引っ張られ、郁も寮の玄関に飛び込むように入った。
やっと二人の旅行は終わった。
カチャリ・・・ぱたん。
「・・・・・。」
「ん~?笠原おかえり~!」
「ごめん柴崎・・・起こしちゃった?」
「あぁさっきまで調べものしてて今横になったのよ。」
「ごめんね~!寝るとこじゃましちゃったね。」
「ううんまだ本も読んでたし。てか朝帰りかと思ったわ~」
「それはナイナイ!教官疲れちゃうし」
「朝までどっかでゆっくりした方が疲れなかったんじゃなぁ~い?」
「・・・・。」
「・・・・ちょっと、なに赤くなってんのよ!」
「う・・あにょ」
「まった!!いわんでいいっ!つ~か言うな!」
「う、うぇ?」
「なにやら強い酒が必要に気配だからいいっ」
「えへ~。」
「全く、幸せなかおしちゃって!」
「あ!お土産!明日食べよ!」
「なになに?『天使のチーズケーキ』」
「なんかね、美味しそうだったの!この大きさで入ってて、好きな大きさに自分で切るの!」
「へえ~冷やしておこうか?」
「あとね、酒の肴に珍味と、今そこで小牧教官と偶然合ってね、これ毬江ちゃんから私たちにだって!」
「え~やだ嬉しい!」
「うんうん。あとこれは私から!」
「なに?」
細い袋を開けると、ピンク色のお箸が一膳。
可愛いうさぎさん柄で
「・・・『あさこちゃん』」
どうみても子ども用のお箸だ。
「可愛いでしょ!あとね『ひかるくん』もあったから手塚に買ってきちゃった!ふふっそっちはクマ柄~!!」
「あ・・・ありがとう」
「じゃあさっとシャワーだけでもしてくるね~!」
「あぁ行ってらっしゃい・・・。」
「眠たかったら先に寝ちゃってもいいよ~!」
「あ、うん。」
郁を見送って一人。
「・・・ひかるくんねぇ。」
この数年後にピンク色のうさぎさんとブルーのくまさんのお箸は、食器棚の同じ引き出しに一緒にしまわれる事になる。
帰ってきました。やっと。
エンジンを止めても、起きる気配のない彼女。
指をそっと彼女の髪をすくう。
三日間一緒だった。
そっと頬を撫でる。
なんだか色々塗ったくっていたが、やっぱり少し焼けたようだ。
二晩一緒だった。
幼い寝顔も、俺にしか見せない顔も、独り占めにできた。
だが・・・また日常が始まる。
「独り占め」の時間が特別なことではなく。
一つの扉の先に、日常としてあって欲しい。
ちゅっ「郁?」
「い・く」ちゅっ
「・・・・ん・・・きょうかん?」
「なんだ?」ちゅっ
「ん!ぬぅ~ん!んんん!!」
ちゅぱっ
「もう!ここ基地の駐車場じゃないですか!!」
「あぁ」
「あぁってもう!」
「目が覚めただろ?」
「もう~!」
「なんだよ。だめか?」
「う~!ダメ・・じゃないけど・・・恥ずかしいからやっぱりだめ!」
「はははっわかったわかった。さぁ荷物おろそう」
「はぁい」
教官の笑顔。
それはまだ私にとっては反則技。
もう旅行は終わりなんだ・・・。そんな心の重りが少しづつ増すのを防いでくれる。
寮まではなんとなく無言になった。
砂時計の落ちる砂の音が聞こえそうだ。
「あれ?今戻ったの?」
その声に振り向くと小牧が立っていた。
「なんだそっちも今か?」
「あ小牧教官!」
「おかえり笠原さん。少し焼けたね」
「小牧教官も今お帰りですか?」
「うん毬江ちゃんを家まで送ってね。はいこれ、毬江ちゃんから、柴崎さんにも渡してくれる?高原のお土産。」
胸ポケットから土産物屋の小さな包みを出して渡した。
「わぁ!ありがとうございます!あ!私も毬江ちゃんに撰んだのがあるので、渡してもらっていいですか?」
「いいよ。ありがとう。」
「俺からは部屋に戻ってからな」
「あぁ。堂上、笠原さんと名残惜しいだろうから、先に戻ってるよ!ごゆっくり!」
「えぇっ!」
「あぁとっとと行け!」
「のぉぇ!」
「消灯までには解放してあげなよ?は~んちょ!」
「あぁ」
「えぇ?あぁってあんた!」
「お前声がデカいんだよ!冗談に決まってるだろうが!」
「えぇっっ!冗談?」
「あっはっはっは!笠原さん可愛い~!」
「アホ!」
「えぇ~!もうっ!」
しかし気が付くと、小牧は姿を消しており、寮の玄関の明かりが、二人の顔を微かに照らしていた。
「きょうかん・・・」
「なに泣きそうになってんだ?・・・からかって悪かったな。」
「そうじゃないの・・・」
「じゃあ・・・なんだ」
「明日も会えますよね?」
「当たり前だ!・・・遅刻するなよ」
「しません!」
「・・・そうだな。彼氏からのお願いだ・・・明日はなるべく早く出勤しろ。」
「へ?なんかありましたっけ?」
「いや、だから・・・『彼氏からのお願い』だ・・・。
三日も一緒にいたんだ。目が覚めたらなるべく早く顔がみたい。」
「・・・・!」ちゅっ!
驚く彼女の頬にキス!
堂上は足早で寮の玄関まで行き。ドアを開いた。
「ほら!行くぞ!」
「ひゃっ!はっはいっ!!」
この声に引っ張られ、郁も寮の玄関に飛び込むように入った。
やっと二人の旅行は終わった。
カチャリ・・・ぱたん。
「・・・・・。」
「ん~?笠原おかえり~!」
「ごめん柴崎・・・起こしちゃった?」
「あぁさっきまで調べものしてて今横になったのよ。」
「ごめんね~!寝るとこじゃましちゃったね。」
「ううんまだ本も読んでたし。てか朝帰りかと思ったわ~」
「それはナイナイ!教官疲れちゃうし」
「朝までどっかでゆっくりした方が疲れなかったんじゃなぁ~い?」
「・・・・。」
「・・・・ちょっと、なに赤くなってんのよ!」
「う・・あにょ」
「まった!!いわんでいいっ!つ~か言うな!」
「う、うぇ?」
「なにやら強い酒が必要に気配だからいいっ」
「えへ~。」
「全く、幸せなかおしちゃって!」
「あ!お土産!明日食べよ!」
「なになに?『天使のチーズケーキ』」
「なんかね、美味しそうだったの!この大きさで入ってて、好きな大きさに自分で切るの!」
「へえ~冷やしておこうか?」
「あとね、酒の肴に珍味と、今そこで小牧教官と偶然合ってね、これ毬江ちゃんから私たちにだって!」
「え~やだ嬉しい!」
「うんうん。あとこれは私から!」
「なに?」
細い袋を開けると、ピンク色のお箸が一膳。
可愛いうさぎさん柄で
「・・・『あさこちゃん』」
どうみても子ども用のお箸だ。
「可愛いでしょ!あとね『ひかるくん』もあったから手塚に買ってきちゃった!ふふっそっちはクマ柄~!!」
「あ・・・ありがとう」
「じゃあさっとシャワーだけでもしてくるね~!」
「あぁ行ってらっしゃい・・・。」
「眠たかったら先に寝ちゃってもいいよ~!」
「あ、うん。」
郁を見送って一人。
「・・・ひかるくんねぇ。」
この数年後にピンク色のうさぎさんとブルーのくまさんのお箸は、食器棚の同じ引き出しに一緒にしまわれる事になる。
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この記事へのコメント
無題
うさちゃんとくまちゃんてのがいいですね!しかも海と関係ないところが郁ちゃんらしいというか・・・(笑)
「おまえ・・・それ海と関係ないだろう?(そんなのもらってどうするんだあの二人)」
「えっでもかわいいじゃないですか!」
「・・・(その笑顔反則だ)」
みたいな。
Re:無題
コメントをありがとうございます。
そうですね、海と関係なかったなぁ。。お箸(笑)
実は「二人で海へ」(6)の大室山の頂上の土産物屋で実際に売っていたものです。
「あさこちゃん」はなかったですが、「ひかりくん」があったので(笑)
柄も他にロケットとかお花とか車とか、色々ありまして、なんで山の上でお箸?と思ったけど、神社とか関係あるかもです。
柴崎も手塚も、どちらも郁にとっては友達ですから、まだこの頃は「好きな女一人落とせない情けない男」ではない頃なので(笑)友達の名前を見つけて単純に喜んで買っちゃった!みたいな~。
教官は、もちろん、「ペアで買ってどうすんだ」と思ってても、「わぁ!あったあった!」と名前見つけて喜ぶ郁ちゃんの笑顔に夜羽さんの言うように勝てなかったよね、きっとね!(笑)