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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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堂郁の日SS ~ あの日・・・薫る ~ 郁side

ども♪まるちゃでし!

堂郁の日の前半はいかがだったでしょうか?

では後半戦。
時期は堂上sideと同じ頃。
その頃の郁ちゃんの生活をちょこっとだけ。

捏造もしてますし、オリキャラもありです。

よろしければどうぞ。

☆郁side☆からどうぞ。

一部機種の方はそのまま下へ。☆みっつからが本文です。

感想などお気軽に拍手からコメントできます。
もちろんコメントなしでぱち☆ぽちっとしていただくだけでも嬉しいです。


拍手[40回]

☆☆☆

堂郁の日SS ~ あの日・・・薫る ~ 郁side

女子大生の郁ちゃん。
今日も陸上部の練習です。
司書資格を取ろうとしたのが軽く20年前ですし取らなかったので、細かい部分などの違いがあると思いますがご了承いただければと思います。



「お~~~~らぁ~~~~~~~~す!」

マネージャがあげた大声を合図に、ぐっとスピードを上げる。

「ほらぁ!二年!あげてあげてあげて!!」

今度はコーチの檄を受ける。

「富田ぁ!右を意識しすぎだって言ったろ!覚えろバカが!!」

目一杯ゴールに身体を突っ込んで、その後はフィールドに大の字で倒れる。

はぁはぁはぁはぁ!!

「笠原!タイムいいぞ!」
「・・・っはぁい!ありがとうございます!」

最後の走りこみをした後、こうして見上げる空が好きだ。


すっかり秋の空・・・だな。


体が冷え切らないうちに〆のストレッチをして今日の練習は終わった。

すると、いいタイミングで一年がタオルを渡してくれる。

「ん、ありがとう」
「ないっす!」

後輩が先輩に使う『ないっす』って「とんでもないです」の略。
最初は聞いて驚いたし、おかしかったけど、これが我が部の伝統といわれると、不思議にも使いこなす自分に驚いたっけ。


今日の練習は大学の敷地内じゃなくて、コーチの在学してた高校へ来ている。

私立のいい学校で、きちんとした競技場並みの走りやすさだった。

ここから学校の寮まで私鉄を乗り継いで帰るのだが・・・・。

「あ~~ダメっ!腹減ったぁ~」

つい口から言葉になって出てしまったアタシの心の叫びは、その場にいた一同を笑わせた。

「奢ってはやらんが、この先に旨くて安いラーメン屋がある。そこへいくか」

コーチのこの声に、一気に動く元気が出る私達。
そうだよね!ラーメン!ラーメン!!自腹でもちょっと嬉しい!



ラーメンは美味しかったね~!とみんなでウキウキ歩く商店街。
もうすぐ駅という所に、小さな本屋があった。

手描きのポップのマジックの文字が、生まれ育った土地の書店を思い出す。

「文さん元気かなぁ・・・」
「?郁ちゃん何?フミサンって?」
「あぁ、あのね地元の本屋でよく会ったおばあちゃん。お菓子つくりが得意でね、たくさんお菓子を作ってもらったの。」
「へぇ、いいね~そういうおばあちゃんって」
「でしょ?今通った本屋さんがその地元の本屋さんに似ててね。ちょっと思い出しちゃった」
「・・・郁ちゃん・・・実家に帰りたくなった?」
「え~~それはない!」
「ねぇ本当に成人式にでないの?」
「うん。もう決めたし!」
「一人で寂しくない?」
「うん大丈夫だよ。東京には兄も住んでるし」

駅前のロータリーには何本か金木犀が植えてあるらしく、この時期特有の風をつくりだしていた。



もう日が沈むなぁ・・・。
郁は通り過ぎてしまった書店を振り返って眺めた。

こんな時期だったな。

あの本屋さんの中では気がつかなかったけど、お店の裏には金木犀が植えてあって・・・あそこにはこの花の香りがしていたっけ。

良化隊なんてものに出会っちゃったのも、勢いだけではむかっちゃったのも・・・

本を守ったのも・・あんな風に男の人に助けられたのも・・・全部初めてだったし、
あれ以降も無いから・・・

それらはあたしの唯一のものになった。

それからのあたしは自分でも良くがんばったなって思う。
高校の部活を引退した後は、特に何も無くのんびりするつもりだったけど、あの出会いからはとにかくバイトをしまくった。

・・・そういえばバイトの面接もあの時が始めてだったっけ。

本当はあの本屋さんでバイトしたかったけど、お店に聞いたら高校生はだめだって言われたんだよね。
結局、決まったのは土日の早朝のスーパーの品出しと、午後は平日も土日もファストフード。

とにかく資格を取るためのお金(その頃はお金がたくさん必要と言うことしか知らなかった)を貯めまくった。

今は陸上が忙しいから、そんなには出来ない。やってもお小遣い程度。

でもね~それが念願の本屋さん!
どちらかというとコミック専門って感じだし・・・大型書店ではないので、期待していた『図書隊の訪問』はめったにないらしい。

『関東図書隊』・・・カントウトショタイ!! くぅ~~~思うだけでもにやけちゃう!

あの人はどうしているだろう。

図書隊の人の離職率は高いよ?と書店のバイトの先輩に言われた。

でも、でも、どうしてもあの人と同じ場所に行きたいの。
あの人と同じように、本を守りたい!


帰りの電車で揺られながら、ぼーっとそんなことを考えていた。


「ねぇ笠原!笠原も後でカラオケ行かない?」
「へ?カラオケ?」
「そうそう、男子がね寮の先輩にお願いされてるんだってさ。後輩女子は半額でいいんだって!行こうよ~!」

同じ陸上部で同級で同室の前原が、小柄な身体をぶつけてねだってくる。

「ん~でも明日の語学の予習が終わってないの。だからゴメン!あたしはパス!」
「えぇ~~~語学!?・・・笠原行かないのならあたしもやめるぅ~」
「なんで?行けばいいのに」
「だって笠原一人になっちゃうし~」
「・・・・本当は前原もやってないんでしょ?訳文」
「あ。ばれた?いいじゃん二人で今夜はがんばろう!」

「「おー!」」と空いているのを良いことに、電車内ではしゃいだらコーチに叱られちゃった。

あとで「明日の語学の、ノートぐらい後で貸してやるから行こうぜ」と男子にもう一度さそわれたけど、そんなのだめ。
とにかく一つ一つを落とさないで教養課程を終わらせないと。
あたしには後でそれらを拾う時間も能力もないから。
3年になったら、図書館司書の講座を受けたいから。
それには語学は本当に落とせない。


あの人のいる場所に、あたしも行くために。


寮のある駅に帰り着くと、もう日が暮れていた。



・・・日が落ちるのが早くなったな。
・・・・ちょっと風が冷たい。


この駅のどこかにも植えてあるのか、ほんのりと香る金木犀。

すぅ~と息を吸い込む。

そしてゆっくりと吐きながら、つい言ってしまった。

「んはぁ~~~肉まん食べたいっ!」
「えぇ?もう?!」

どうして口から出ちゃうんだろう。

皆で笑いながら帰った。

あと2年とちょっと・・・絶対にあたしはあの場所・・・図書隊へいく。

もし・・・もしダメでもあきらめない!あきらめられないよ。

だからお願い。


あの人もまだあの場所にいますように・・・。
怪我とかしたり・・・辞めたりしていませんように。

あの日あの時にも薫っていた、金木犀に願った。


おわり









おわり

読んでいただき☆ありがとうございました♪

次回更新は拍手御礼になると思います。

2015 10/24 一部修正
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旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
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