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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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SS 俺を呼ぶ声 ☆二周年その3☆

ども♪まるちゃでし!

毎日暑いですね。
もうね、リビングが蒸し風呂状態です。
私が冷房に弱いので、クーラーが我が家は寝室のみしかありません。
それもあまり使いません。

暑くてだるくなったときは、冷やした季節の果物とかトマトとか、そういうのを食べるだけで回復しますね!


さてさて、二周年記念と銘打ってますが、特に変わりございません。
ただ私の気持ち的に「わぁ!まだ来てくれる人がいる!」→がんばって更新しよう!週間と言う感じです。
SS更新の合間にイラストをはさみます。
あと忘れてたけど、ララのネタバレもやります。

今日はSS更新です。

ちょっと毛色が変わってる(というかそんなのばっかりだろ)おはなしで、
あの熊ドッキリをしたころの奥多摩演習の風景。
郁ちゃんがまだ「クソ教官」と思ってるあたりです。
だから『篤片思い時代』(笑)
オリキャラは直接出てきませんが、高校一年生のときの彼女とのエピソードがでてきます。
では☆ ランニング! ☆よりどうぞ。

拍手[34回]

☆☆☆

上官部下時代。まだ笠原は無自覚のころ。篤の無自覚片思い時代(笑)
奥多摩の訓練の光景。
奥多摩の市街地をマラソンです。
回想の中で、オリキャラがでてきます。





『堂上くぅん』

夏のアスファルトが焼けるような日差しの中を、走る。

たんたん・・ハァッハァッ・・たんたん・・ハァッハァッ・・
夏草の作る短い影さえも欲しくなる灼熱。
そんなリズムと光景が、遠い日の記憶を引っ張り出す。

『堂上くぅん』

そんな夏の熱気が、思い起こさせた俺を呼ぶ声。
あぁあいつの名前はなんだったけな。
たしか、中学の時の部活のマネージャー。
短い髪から伸びる白い首。
静香が長い髪だったから、短い髪が面白くて、からかうとすぐに赤く染まる耳が可愛くて、
ふざけては耳を引っ張ったりしたっけな。

『もう!堂上くぅん!』

あぁそうだ。あれは夏休み前だったな。
お前の事を好きらしいから、お前から告白してつきあっちゃえよなんてみんなに言われてその気になって・・・
夏休みの合宿ではもうカップル気取りで・・・
恋人というより、カップルを演じるのに懸命だった気がするな。
それが先輩方は気に喰わなかったのか、『一年の癖に生意気』とそのときの合宿では余計にランニングをさせられたっけな。
付属大学の山のど真ん中の研修所。
畑と坂道しかないようなところ。
そうだ、こんな山の中の道だった。

あの少し鼻にかかった呼び方。
もう顔はよく覚えていないのに、俺を呼ぶ声だけが鮮明に残っている。
あぁそうか。
泣かれたんだっけか。
『俺がわからない』って。
だから野球部の先輩と付き合うとかなんとか。
泣きたいのはこっちだろと。



たんたん・・ハァッハァッ・・たんたん・・ハァッハァッ・・

しかし暑い。
だがこの坂を下れば川沿いの道にでる。
少しは風が吹いて涼しいだろう。

この坂は見た目よりも傾斜が強い。
周りの木々と目の前に広がる川が、傾斜を浅く感じさせる。

たんたん・・ハァッハァッ・・たんたん・・ハァッハァッ・・

川に近づくにつれて、川風が吹いているのがわかる。

もう少しだ、もう少し。
下り坂を息を乱すことなく、身体を・・・歩幅を調整する。
足首に余計な負担がかからない様に、腹にも力を入れて体制を保つ。

たんたんハァッハァッ・・・たんたんハァッハァッ・・・

たったったったったった!

背後から足跡が近いてきている。
下り坂に任せてスピード出すなんて、このあとの寄宿舎までの登りでばてるぞ。
というかこの傾斜をスピードって、河原に飛び込みたいのか?

後方の足音と共に上がる荒い息と声に耳をとられた。

「はぁっはぁっくそっ!」

この声!

振り向くと真っ赤な顔をした笠原が向かってくる。

「バカっスピードを落とせ!」

「きょっきょうかぁん!!」
「ばっバカがっ!」

「とっ止めっきょっ教官!」

この時の堂上の数メートル先はガードレール。
道は左に曲がるカーブで、右側はうっそうとした葦の原だ。
そのガードレールの向こう側は川原だが、川原は道路から2メートルは下になる。

しかし笠原は自分の身体が勢い付きすぎて止まらないようだ。
(こら陸上部。)
堂上は向きを変えて、笠原へ向かって坂道をダッシュで登り、笠原の身体の後から腰に手を回して支えて、歩幅を合わせながらブレーキをかける。
(タメだまにあわない)

そのまま勢いを横に流すようにして草むらへ身体を倒す。
笠原を抱え込む形で背中から地面へ突っ込んだ。

ザザザザザッ!
「きゃあっ!」

意外と派手な音を立てて二人は止まった。

そおっと目を開けると、夏草の向こうには青い空。

蝉が遠くで鳴いていて、自分の胸の上には激しい呼吸を繰り返す笠原が・・・。
自然と両腕に力がこもり、呼吸を整えるよりも深く息を吸い込んだ。

夏草か、笠原か。

「ど・・・堂上教官?」
「ん」
「あ!あわわわっすいませんごめんなさい!!」
「ん、怪我はないか?」
笠原を抱えたままに上体を起こすと、目に涙を溜めた笠原が自分の腕の中だ。

「堂上教官・・あの」

俺の膝の上に座る笠原より葦だかなんだかの方が背が高いな。

「堂上教官?」
「あぁスマン。ほらゆっくり立ってみろ。」
「あ、はい。」

青い空
青い草
笠原の赤く染まった頬。

「堂上教官?」
「あぁ」
「私はどこも何ともないようです」
「あぁそうか。」
「堂上教官?」
「ん?」
「堂上教官は大丈夫ですか?」
「ん」
立ち上がって見ると、肘やらなんやらと草で切ったらしい。
「あ!教官!血が!ごめんなさいアタシのせいで・・・」
「ん?こんなの怪我のうちに入らん。」

立ち上がって見ると、笠原の染まった頬が、川の水面の煌めきに良く映える。

「教官っ血が止まってても流した方が・・・」

自分の水筒から俺の肘に水をかける。
水は冷たく、笠原の手は熱い。

「・・・熱いな。」
「え?」
「お前の手が。」
「そうですか?」
「走り出す前に水をちゃんと飲め。」
「でもさっき飲んだばかりですから大丈夫ですよ?」
「もう一度だ。上官の指示はちゃんと聞け」
「はぁい」

水筒を小脇に挟んで、タオルで俺の腕を拭こうとするのを止めさせて、早くそれ飲めと素振りで示すと、ふっと笑みをこぼしながら水筒に口をつけて傾ける。
白い喉が水を飲み込んでいく。
綺麗だな・・・・
それを横目でそっと見ながら自分も水筒から水を一口のんだ。

笠原と目があった。

まだ顔は赤いな。
「大丈夫か?」
「あ、はい!」

歩きだすと笠原もついてくる。

軽いランニングペースで川沿いを走りながら「さっきの坂は見た目より傾斜がきついんだから気を付けろ。」 というと「もうわかりましから大丈夫です!」と頬を膨らます。


たんたんハァッハァッ・・・たんたんハァッハァッ・・・

走る呼吸が合うのがこそばゆい。

どんな奴と走っても、こんなこと感じたことなかった。

最後の登りは長く続く。

「自分のペースで来い」

そういいながら笠原を見ると、真っ赤な顔をしてうなずいた。


少しずつ離れて置いていく足音と呼吸。

『堂上教官?』
『堂上教官!』

耳に残るはこの声・・・・。

あぁ暑いな。

空が青い。

なぁ・・・笠原。

終わり


これで、これ以降の夏のランニングには郁ちゃんのことばかり悶々と考えて走るようになります(笑)
気が向いたら笠原視点かきます。

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旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
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趣味:
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