春風駘蕩
図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着
SSエイプリルフール 第三弾
- 2012/06/02 (Sat)
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ども♪まるちゃでし!
大遅刻のエイプリルフールSSの最終話になります。
まぁそういったわけで、告白した彼はダンボールによって守られたわけですが、
そのダンボールが気になるというお話を、milkyさまのとこで感想をいただきました。
むくむくとね、妄想がわきまして。
自分で思いつくときもあるんですが、こうやってコメントなどで「妄想スイッチ」が入る場合もすくなくはありません。
カウンターが携帯から見えるように出来ないので、キリ番リクエストも募ってません。
その代わりにしては不確かなんですけど、拍手につけてくださったコメントを読んで書くこともあります。
なかなかゆっくりとパソコンの前に座れない日々が続いてますので、ご希望に添えないことの方が多いと思いますが、またお立ち寄りいただければと嬉しく思います!
では今回も「☆第三弾☆」よりどうぞ。
一部機種の方はそのまましたの☆みっつからが本文です。
大遅刻のエイプリルフールSSの最終話になります。
まぁそういったわけで、告白した彼はダンボールによって守られたわけですが、
そのダンボールが気になるというお話を、milkyさまのとこで感想をいただきました。
むくむくとね、妄想がわきまして。
自分で思いつくときもあるんですが、こうやってコメントなどで「妄想スイッチ」が入る場合もすくなくはありません。
カウンターが携帯から見えるように出来ないので、キリ番リクエストも募ってません。
その代わりにしては不確かなんですけど、拍手につけてくださったコメントを読んで書くこともあります。
なかなかゆっくりとパソコンの前に座れない日々が続いてますので、ご希望に添えないことの方が多いと思いますが、またお立ち寄りいただければと嬉しく思います!
では今回も「☆第三弾☆」よりどうぞ。
一部機種の方はそのまましたの☆みっつからが本文です。
☆☆☆
段ボール
エイプリルフール裏話
もう課業時間は終わったのだから、どうこう言う権利はないのかもしれん。
しかし残業しながらも目の端っこにはいる、困惑し取り乱す寸前の笠原は誠に気が散る。
昼も休憩も柴崎や手塚と「作戦会議」とか何とか言っては騒いでいた。
「お~い!堂上くぅ~ん!」
「ダメですよ進藤一正」
「まだ俺は何も言ってない!」
「わかってますよ。そのダンボールを持っていけってんでしょ?ダメですよ」
「なんだよけちぃ~!」
「それ、アレでしょ?ちゃんと穴は塞いだんですか?」
資料をプリンターで打ち出しながらちらりとその上官をみる。
「おう!ばっちりよ!俺に任せとけ!」
「じゃあ最後まで任せます!」
「あ!ちょっとまて堂上!」
プリンターから出された資料を確認し、ついでにソファーでうなってる部下の頭を叩く。
「いたっ!!ってひど!急に何するんですか?!」
「お前は休憩時間にも柴崎に言われたんじゃないのか?いつまでここで悩んでても仕方がないだろ!とっとと帰れ!」
「うぅ・・・・」
「なんだその顔は。」
「何でもないですぅ~」
「語尾を変に延ばすな!」
「いたっ!ちょっとイライラしすぎじゃないですかっ?!」
「やかましいっ!人が残業してる横でうんうんといつまでもうなりやがって!」
「・・・教官が残業断れないのは私のせいじゃないし・・・」
「あぁっ?!」
「ごめんなさいっ笠原帰寮します!」
その慌てる後姿を見送って振り返れば俺の席にダンボールをどっかりと置いて、進藤一正は自席でコーヒー牛乳を飲んでいる。
『コーヒー牛乳をストローでちびちびと飲むのがオトナの男のこだわりだ』なんだそうで、
今日もご機嫌でストローで飲んでいる。
「あ~自分で使った暗幕ぐらい自分で返したらいいじゃないですか!つか進藤班のほかの奴に行かせるべきでしょ?」
「ん。あいつ等には後方支援部にお使いに行ってもらっちゃっていない。」
「帰ってから頼めばいいでしょ!」
だいたい3月いっぱいで図書隊を去る自分の同期に「どっきり☆パーティー」とやらを企画して、借りた暗幕を花火とかで穴を盛大に開けたのは誰だ!
俺はそのパーティーとやらに出てもいないのに!
そこに小牧が帰ってきた。
「いや~。あの子凄いね。」
「なんだ?誰のことだ?」
「ほら、笠原さんにプロポーズしっていう彼?
今庁舎の入り口で会ったよ。
笠原さん待ちらしいけど・・・笠原さんは?帰ったの?」
笠原は市街哨戒のあとからずっと隊服のままだった・・・着替え終わって今頃・・・
そう思ったら先に体が動いてた。
「資材部ですね?行ってきます!」
俺はダンボールを抱えて事務所を後にした。
____ 堂上が去った事務所では・・・・
「全くアレのどこが『ただの部下』なんだか・・・」
ため息をつく進藤の足元には、上戸に陥った小牧が転がっている。
「おいっ誰か偵察かけるか?」
「お姫さんを救出に間に合ったかなぁ?」
事務所では口々に言いたいことを言う連中が多いが、どれも二人を思ってのことである。
小牧がやっと上戸から浮上して「偵察は必要ないでしょ。 ほらうわさをすればですよ」
と涙を拭きつつ事務所のドアのほうを指せば一同もそれに従う。
そこへ廊下を賑やかな声が迫ってくる。
『なんだまた痴話喧嘩してんのか?』と一同の顔は和やかになり、手を止めていた業務を『まったく中断していなかった体で』し始めている。
「ひどいっ!このクソ教官!!」
ドアがあくと同時に入ってきたのはこの言葉だ。
笠原は、酷い悪態をつきながらもドアを手で押さえてダンボールを抱える上官を通している。
「じゃあこのくそより劣る貴様はなんだっ!」
「やっひどっ・・・そんなの・・・」
「こら泣くな」
「泣いてなんかいましぇん!」
「わかったわかった。」
ちらりと盗み見れば、真っ赤な目をして泣くのをこらえてる部下の頭を、なんとも余裕なそぶりで頭をポンポンしている。
『小牧!耐えろ!噴出すな!』
一同が願うなか、二人はお構いナシに世界を展開している。
周りは、その見事につぶれたダンボールが気になるが、このかゆいやり取りに口を挟まさる気をそがれている。
「ん?そうか泣いてないか、スマンな俺の勘違いだ」
「ぎゃ!やだ!これから飲み会あるのに!」
堂上は思いっきり笠原の髪をぐしゃぐしゃと少し乱暴に混ぜた。
「・・・・今日飲み会があるのか?」
「へ?あぁ・・・急遽同期会だそうです。
さっき西尾から電話ありまして。」
今まで泣きそうだったのに、もうほっぺを膨らまして髪をぐしゃぐしゃにされたことを力いっぱい抗議している様は、まさに「我らの可愛い娘っこ」だ。
「行くのか?」
堂上はきゅっと眉間にシワを寄せた。
「いきますよ?教官はまだ仕事ですか?」
「あほうっ!今日は何日だ?新年度の一日目だ !お前はそれどころじゃなかっただろうがな!
また隊長が新しい思いつきとやらで、教育隊の錬成カリキュラムに横やりが入ってだな!
このあと防衛とカリキュラム会議だ!
今さら業務方を動かせるかっ!」
「え~!じゃあこれは私がやります!
手伝わせて下さい!新しいダンボールぐらい見つけて入れ替えられますもん!」
「あぁ?飲み会遅れるぞ?」
「ちょっと遅れるぐらいは大丈夫です。じゃぁ失礼します!お疲れ様です~!お先に失礼しまぁす!!」
そういってあっと言う間にその『なぜかつぶれたダンボール』を抱えて笠原は事務所を出て行った。
特殊部隊の庁舎の倉庫へいって、新しいダンボールを組み立ててさっさと暗幕を詰め替える。
後は業務部へもって行けばおしまい。
かるいかるい♪と笠原は鼻歌交じりだった。
資材課へ行き見知った顔に声をかけて暗幕を返した。
「じゃぁ持ち出しリストに名前と隊員番号を・・・・・ってちょっと待ってね。」
と何故か止められた。
「すいません!要チェック対象きましたぁ!」と言う声に数人が集まり、ダンボールから暗幕を引き出す。
笠原は「そのまま待っててもえらますか?」といわれてただ入り口でそれを見ていた。
『要チェック対象ってなんだろ?』
「あ!ありました!ここです!」
「え?あらやだ!ダメですよこれ!」
「あちゃー!やられましたね~」
その声に笠原もカウンターから身を乗り出して様子をうかがう。
「うげぇ!!」
そこには暗幕の数箇所にクマのイラストのかわいいアップリケが縫い付けてあった。
「もうしわけないんだけど・・特殊部隊の笠原さん?貴方がやったわけじゃないとは思いますが、
このやり方は了承しかねます。こちらに暗幕の端切れがありますので、速やかに正しく修繕したのちご返却を!」
「えぇ?あたしがぁ?」
多少重みを増したダンボールを抱えて事務所へもどれば、遅番の事務所番が数人のこすのみだった。
どうした笠原?と声をかけてくれた先輩に事情を話すと、
「あ~~それ進藤一正だわ。なんか花火で大穴あけたとかなんとかって。」
ぷりぷりと怒りながらもその箇所を見せると
「ありゃこれはかわいいもんくっつけたな。裁縫箱なら工具箱が入ってる下に入ってるから。まぁがんばれ」
「おまえ裁縫できんのか?」
という声には「任せてください!こう見えても手工芸は得意です!」と胸を張ったものの。
進藤のつけたアップリケが誠に強固に縫いつけられており、それでも暗幕に穴を開けないようにと丁寧に糸を取っていく。
やっとはがせると思ったら・・・
「・・・あぁ?なんかで接着してある!」
結局、その付けられたボンドの部分を、大きく切り取らなければならず、
もとあった焼け焦げよりも大きい穴が開いた。
他にも大きく裂けている部分を発見してしまい、ミシンなんてものがあろうはずもない事務所で厚手の布のかぎ裂きを修繕するという作業もした。
「あ~もぅ今日飲み会パス!疲れた!カツどん食べたい!」
大きな布を縫う作業は意外と力仕事なのだ。
防衛部の庁舎で会議中の堂上の携帯が一件のメールを受信した。
その標示名に議事途中だが携帯を開いて確認する。
『回収対象は思わぬ残務作業が長引いたため、本日の同期会は欠席。
今は食堂になんとか間にあってどんぶり飯にありついてるそうです。今回は進藤一正に感謝ですね!』
ただ暗幕を返しに行くだけで一体何があったのか?
酔って寝オチすることを心配した次はそこが気になって仕方がない。
柴崎には「了解した」とだけ打って・・なんとなく杓なのでそのまま携帯を閉じた。
「ぷっ」と言う軽い呼吸音が聞こえたのでちらりと見ると、隣の小牧が携帯をみて笑いをこらえている。
笠原が何がどうしてそうなったのかは、帰りに事務所へ寄ってわかった。
糸がないだのなにがないだの、くっつけ方が酷いだのとぴーぴーとわめきながらも、
ちゃんと綺麗に暗幕は修繕できたらしい。
最後には盛大腹の虫を響かせたらしく、進藤班の先輩が『いえろう軒』の大盛りカツどんを奢ってやるという話に喜んで帰ったらしい。
『まぁそれでも明日は褒めてやるとしたもんだろ。』
デスクの一番下に放り込んだままのミルクティーの缶があったことを思い出していた。
おわり。
段ボール
エイプリルフール裏話
もう課業時間は終わったのだから、どうこう言う権利はないのかもしれん。
しかし残業しながらも目の端っこにはいる、困惑し取り乱す寸前の笠原は誠に気が散る。
昼も休憩も柴崎や手塚と「作戦会議」とか何とか言っては騒いでいた。
「お~い!堂上くぅ~ん!」
「ダメですよ進藤一正」
「まだ俺は何も言ってない!」
「わかってますよ。そのダンボールを持っていけってんでしょ?ダメですよ」
「なんだよけちぃ~!」
「それ、アレでしょ?ちゃんと穴は塞いだんですか?」
資料をプリンターで打ち出しながらちらりとその上官をみる。
「おう!ばっちりよ!俺に任せとけ!」
「じゃあ最後まで任せます!」
「あ!ちょっとまて堂上!」
プリンターから出された資料を確認し、ついでにソファーでうなってる部下の頭を叩く。
「いたっ!!ってひど!急に何するんですか?!」
「お前は休憩時間にも柴崎に言われたんじゃないのか?いつまでここで悩んでても仕方がないだろ!とっとと帰れ!」
「うぅ・・・・」
「なんだその顔は。」
「何でもないですぅ~」
「語尾を変に延ばすな!」
「いたっ!ちょっとイライラしすぎじゃないですかっ?!」
「やかましいっ!人が残業してる横でうんうんといつまでもうなりやがって!」
「・・・教官が残業断れないのは私のせいじゃないし・・・」
「あぁっ?!」
「ごめんなさいっ笠原帰寮します!」
その慌てる後姿を見送って振り返れば俺の席にダンボールをどっかりと置いて、進藤一正は自席でコーヒー牛乳を飲んでいる。
『コーヒー牛乳をストローでちびちびと飲むのがオトナの男のこだわりだ』なんだそうで、
今日もご機嫌でストローで飲んでいる。
「あ~自分で使った暗幕ぐらい自分で返したらいいじゃないですか!つか進藤班のほかの奴に行かせるべきでしょ?」
「ん。あいつ等には後方支援部にお使いに行ってもらっちゃっていない。」
「帰ってから頼めばいいでしょ!」
だいたい3月いっぱいで図書隊を去る自分の同期に「どっきり☆パーティー」とやらを企画して、借りた暗幕を花火とかで穴を盛大に開けたのは誰だ!
俺はそのパーティーとやらに出てもいないのに!
そこに小牧が帰ってきた。
「いや~。あの子凄いね。」
「なんだ?誰のことだ?」
「ほら、笠原さんにプロポーズしっていう彼?
今庁舎の入り口で会ったよ。
笠原さん待ちらしいけど・・・笠原さんは?帰ったの?」
笠原は市街哨戒のあとからずっと隊服のままだった・・・着替え終わって今頃・・・
そう思ったら先に体が動いてた。
「資材部ですね?行ってきます!」
俺はダンボールを抱えて事務所を後にした。
____ 堂上が去った事務所では・・・・
「全くアレのどこが『ただの部下』なんだか・・・」
ため息をつく進藤の足元には、上戸に陥った小牧が転がっている。
「おいっ誰か偵察かけるか?」
「お姫さんを救出に間に合ったかなぁ?」
事務所では口々に言いたいことを言う連中が多いが、どれも二人を思ってのことである。
小牧がやっと上戸から浮上して「偵察は必要ないでしょ。 ほらうわさをすればですよ」
と涙を拭きつつ事務所のドアのほうを指せば一同もそれに従う。
そこへ廊下を賑やかな声が迫ってくる。
『なんだまた痴話喧嘩してんのか?』と一同の顔は和やかになり、手を止めていた業務を『まったく中断していなかった体で』し始めている。
「ひどいっ!このクソ教官!!」
ドアがあくと同時に入ってきたのはこの言葉だ。
笠原は、酷い悪態をつきながらもドアを手で押さえてダンボールを抱える上官を通している。
「じゃあこのくそより劣る貴様はなんだっ!」
「やっひどっ・・・そんなの・・・」
「こら泣くな」
「泣いてなんかいましぇん!」
「わかったわかった。」
ちらりと盗み見れば、真っ赤な目をして泣くのをこらえてる部下の頭を、なんとも余裕なそぶりで頭をポンポンしている。
『小牧!耐えろ!噴出すな!』
一同が願うなか、二人はお構いナシに世界を展開している。
周りは、その見事につぶれたダンボールが気になるが、このかゆいやり取りに口を挟まさる気をそがれている。
「ん?そうか泣いてないか、スマンな俺の勘違いだ」
「ぎゃ!やだ!これから飲み会あるのに!」
堂上は思いっきり笠原の髪をぐしゃぐしゃと少し乱暴に混ぜた。
「・・・・今日飲み会があるのか?」
「へ?あぁ・・・急遽同期会だそうです。
さっき西尾から電話ありまして。」
今まで泣きそうだったのに、もうほっぺを膨らまして髪をぐしゃぐしゃにされたことを力いっぱい抗議している様は、まさに「我らの可愛い娘っこ」だ。
「行くのか?」
堂上はきゅっと眉間にシワを寄せた。
「いきますよ?教官はまだ仕事ですか?」
「あほうっ!今日は何日だ?新年度の一日目だ !お前はそれどころじゃなかっただろうがな!
また隊長が新しい思いつきとやらで、教育隊の錬成カリキュラムに横やりが入ってだな!
このあと防衛とカリキュラム会議だ!
今さら業務方を動かせるかっ!」
「え~!じゃあこれは私がやります!
手伝わせて下さい!新しいダンボールぐらい見つけて入れ替えられますもん!」
「あぁ?飲み会遅れるぞ?」
「ちょっと遅れるぐらいは大丈夫です。じゃぁ失礼します!お疲れ様です~!お先に失礼しまぁす!!」
そういってあっと言う間にその『なぜかつぶれたダンボール』を抱えて笠原は事務所を出て行った。
特殊部隊の庁舎の倉庫へいって、新しいダンボールを組み立ててさっさと暗幕を詰め替える。
後は業務部へもって行けばおしまい。
かるいかるい♪と笠原は鼻歌交じりだった。
資材課へ行き見知った顔に声をかけて暗幕を返した。
「じゃぁ持ち出しリストに名前と隊員番号を・・・・・ってちょっと待ってね。」
と何故か止められた。
「すいません!要チェック対象きましたぁ!」と言う声に数人が集まり、ダンボールから暗幕を引き出す。
笠原は「そのまま待っててもえらますか?」といわれてただ入り口でそれを見ていた。
『要チェック対象ってなんだろ?』
「あ!ありました!ここです!」
「え?あらやだ!ダメですよこれ!」
「あちゃー!やられましたね~」
その声に笠原もカウンターから身を乗り出して様子をうかがう。
「うげぇ!!」
そこには暗幕の数箇所にクマのイラストのかわいいアップリケが縫い付けてあった。
「もうしわけないんだけど・・特殊部隊の笠原さん?貴方がやったわけじゃないとは思いますが、
このやり方は了承しかねます。こちらに暗幕の端切れがありますので、速やかに正しく修繕したのちご返却を!」
「えぇ?あたしがぁ?」
多少重みを増したダンボールを抱えて事務所へもどれば、遅番の事務所番が数人のこすのみだった。
どうした笠原?と声をかけてくれた先輩に事情を話すと、
「あ~~それ進藤一正だわ。なんか花火で大穴あけたとかなんとかって。」
ぷりぷりと怒りながらもその箇所を見せると
「ありゃこれはかわいいもんくっつけたな。裁縫箱なら工具箱が入ってる下に入ってるから。まぁがんばれ」
「おまえ裁縫できんのか?」
という声には「任せてください!こう見えても手工芸は得意です!」と胸を張ったものの。
進藤のつけたアップリケが誠に強固に縫いつけられており、それでも暗幕に穴を開けないようにと丁寧に糸を取っていく。
やっとはがせると思ったら・・・
「・・・あぁ?なんかで接着してある!」
結局、その付けられたボンドの部分を、大きく切り取らなければならず、
もとあった焼け焦げよりも大きい穴が開いた。
他にも大きく裂けている部分を発見してしまい、ミシンなんてものがあろうはずもない事務所で厚手の布のかぎ裂きを修繕するという作業もした。
「あ~もぅ今日飲み会パス!疲れた!カツどん食べたい!」
大きな布を縫う作業は意外と力仕事なのだ。
防衛部の庁舎で会議中の堂上の携帯が一件のメールを受信した。
その標示名に議事途中だが携帯を開いて確認する。
『回収対象は思わぬ残務作業が長引いたため、本日の同期会は欠席。
今は食堂になんとか間にあってどんぶり飯にありついてるそうです。今回は進藤一正に感謝ですね!』
ただ暗幕を返しに行くだけで一体何があったのか?
酔って寝オチすることを心配した次はそこが気になって仕方がない。
柴崎には「了解した」とだけ打って・・なんとなく杓なのでそのまま携帯を閉じた。
「ぷっ」と言う軽い呼吸音が聞こえたのでちらりと見ると、隣の小牧が携帯をみて笑いをこらえている。
笠原が何がどうしてそうなったのかは、帰りに事務所へ寄ってわかった。
糸がないだのなにがないだの、くっつけ方が酷いだのとぴーぴーとわめきながらも、
ちゃんと綺麗に暗幕は修繕できたらしい。
最後には盛大腹の虫を響かせたらしく、進藤班の先輩が『いえろう軒』の大盛りカツどんを奢ってやるという話に喜んで帰ったらしい。
『まぁそれでも明日は褒めてやるとしたもんだろ。』
デスクの一番下に放り込んだままのミルクティーの缶があったことを思い出していた。
おわり。
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