春風駘蕩
図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着
SS 二人で海へ(5)
恋人時代
二人で初めての海…の帰りです。
「あ~ぁ終わっちゃった・・・・」
「ん、そうだなぁ」
「いいホテルでしたね!食事も美味しかったし!綺麗だったし」
「ん、そうだな」
「あ!画集をありがとうございました・・・宿泊代までだしてもらったのに・・・」
「お前なぁ。あそこで折半なんてさせる男がいるか?少しは俺の顔を立てさせろよぉ」
ハンドルを握りながらも堂上は郁に笑顔を向けた。
「てへへっだって画集まで・・・」
頬を染めながら、ホテルを出るときに買ってもらった画集を抱きしめた。
オーナーの父親が画家で、このホテルにはその人が描いた絵がそこら中に掛けてある。
堂上達が泊まった部屋にかけられた絵も載っていた。
郁が目を覚ますと、目の前には眠っている篤がいた。
すぅすぅすぅ
少し幼く見える寝顔。
その後ろの白い壁には真っ青な海の港に集うヨットが描かれていた。
「本当に海辺にいるみたい」
その風景の一部分がこの本の中にある。
それを持って帰れるのが嬉しかった。
車は海辺の街を走った。
いくつかの小さな海水浴場や港を通り過ぎて小さな博物館についた。
「ここ・・・なんですか?」
「すまんな。俺の趣味で」
「いえっあのここ・・・」
「アンモナイト博物館だ」
「アンモナイト・・・」
ここに来る途中にも、絵本の美術館とかガラス工芸とか・・・地図にもトンボ玉工芸館とか・・・彼女連れてくるんだったらもう少し・・・。と内心にがりながらも堂上の後をついて、小さな博物館のドアをくぐった。
「わぁ~教官!アンモナイトが伸びてます!」
「え?これ本物の化石なのに触っていいんですか?」
「お前はどこでも賑やかだな」
「あ!ごめんなさい!博物館ですものね・・・」
「いやいや、もう気を使われるような規模ではありませんから」
エプロン姿の男性が現れた。
「そうですよ。お好きに過ごしてくださいね~!」
小さなアンモナイトのペンダントをした女性が微笑んだ。
ご夫婦かな?
博物館の中は埃ひとつなく、アンモナイトの置き方にも愛着を感じる。
こんな風に小さくても二人の世界を作って守っているなんて素敵だなぁ。
ふとみると、堂上が小さなアンモナイトを凝視している。
「教官?」
「ん。一個欲しいなと思ってでだな」
「え?買えるんですか?」
郁が覗きこむと、ほらと指差した。
確かに値札がついている。
白亜紀***年採掘地北海道**2500円
「こっちのがどっしりしてるが・・・こっちのは小さめだが岩とのバランスがいい」
「ふ~ん」
「郁、向こうのケースを観てみろ」
「はぁい・・・わぁ~綺麗!化石が宝石に変わるんですか?わぁ~綺麗!」
「どれがいい?」
「へ?いやいいです!欲しいなら自分で買えます!
さっき画集だって買って貰っちゃったし・・・」
「画集は俺も欲しかったからいいんだ」
「え?でも一冊しか買ってませんよ?」
「いや・・・一冊でいいんだ」
「でも欲しかったんでしょ?」
「一冊でいいんだよっ!なぁこれ、お前ならどっちがいい?」
「はい?」
「もし部屋に置くとしたら、どっちのアンモナイトがいい?俺は甲乙つけがたい・・・お前きめろっ!」
「ぇぇ~・・・」
ぶつくさいいながらアンモナイトが並ぶ棚の前にしゃがみこんだ。
その郁の背中を見ながら・・・
お前な~!二冊買ったら、しまいには家に二冊になるだろうが!ってやっぱり俺は先回りで考え過ぎか?
はぁ・・・
郁は俺と過ごす事をどう思っているんだろう。
どう考えているんだろう・・・。
「これがいいかなぁ・・・」と小さなアンモナイトが入った石を選び、手にとり堂上に差し出した。
「これくらいなら、可愛くていいかなぁって。どうですか?」
「じゃあこれにする」と堂上は掴むとレジへと急いだ。
・・・・なんか教官赤くなってる・・・可愛いっ!
再び走り出す車。
「わぁ!教官!大きい緑色のプリン!!」
「あぁ?!」
「ほらっなんですか?あれ」
「ん~あ、あれか。あれは大室山だそうだ」
「へぇ~」
「リフトで上まで登れるぞ。よるか?」
「え?いいんですか?」
「あぁ行ってみよう」
プリンっプリン~~~♪と小さな声で歌う郁が可愛いくてたまらない堂上である。
~まだつづくかっ!海老名遠い⇒ [6]
二人で初めての海…の帰りです。
「あ~ぁ終わっちゃった・・・・」
「ん、そうだなぁ」
「いいホテルでしたね!食事も美味しかったし!綺麗だったし」
「ん、そうだな」
「あ!画集をありがとうございました・・・宿泊代までだしてもらったのに・・・」
「お前なぁ。あそこで折半なんてさせる男がいるか?少しは俺の顔を立てさせろよぉ」
ハンドルを握りながらも堂上は郁に笑顔を向けた。
「てへへっだって画集まで・・・」
頬を染めながら、ホテルを出るときに買ってもらった画集を抱きしめた。
オーナーの父親が画家で、このホテルにはその人が描いた絵がそこら中に掛けてある。
堂上達が泊まった部屋にかけられた絵も載っていた。
郁が目を覚ますと、目の前には眠っている篤がいた。
すぅすぅすぅ
少し幼く見える寝顔。
その後ろの白い壁には真っ青な海の港に集うヨットが描かれていた。
「本当に海辺にいるみたい」
その風景の一部分がこの本の中にある。
それを持って帰れるのが嬉しかった。
車は海辺の街を走った。
いくつかの小さな海水浴場や港を通り過ぎて小さな博物館についた。
「ここ・・・なんですか?」
「すまんな。俺の趣味で」
「いえっあのここ・・・」
「アンモナイト博物館だ」
「アンモナイト・・・」
ここに来る途中にも、絵本の美術館とかガラス工芸とか・・・地図にもトンボ玉工芸館とか・・・彼女連れてくるんだったらもう少し・・・。と内心にがりながらも堂上の後をついて、小さな博物館のドアをくぐった。
「わぁ~教官!アンモナイトが伸びてます!」
「え?これ本物の化石なのに触っていいんですか?」
「お前はどこでも賑やかだな」
「あ!ごめんなさい!博物館ですものね・・・」
「いやいや、もう気を使われるような規模ではありませんから」
エプロン姿の男性が現れた。
「そうですよ。お好きに過ごしてくださいね~!」
小さなアンモナイトのペンダントをした女性が微笑んだ。
ご夫婦かな?
博物館の中は埃ひとつなく、アンモナイトの置き方にも愛着を感じる。
こんな風に小さくても二人の世界を作って守っているなんて素敵だなぁ。
ふとみると、堂上が小さなアンモナイトを凝視している。
「教官?」
「ん。一個欲しいなと思ってでだな」
「え?買えるんですか?」
郁が覗きこむと、ほらと指差した。
確かに値札がついている。
白亜紀***年採掘地北海道**2500円
「こっちのがどっしりしてるが・・・こっちのは小さめだが岩とのバランスがいい」
「ふ~ん」
「郁、向こうのケースを観てみろ」
「はぁい・・・わぁ~綺麗!化石が宝石に変わるんですか?わぁ~綺麗!」
「どれがいい?」
「へ?いやいいです!欲しいなら自分で買えます!
さっき画集だって買って貰っちゃったし・・・」
「画集は俺も欲しかったからいいんだ」
「え?でも一冊しか買ってませんよ?」
「いや・・・一冊でいいんだ」
「でも欲しかったんでしょ?」
「一冊でいいんだよっ!なぁこれ、お前ならどっちがいい?」
「はい?」
「もし部屋に置くとしたら、どっちのアンモナイトがいい?俺は甲乙つけがたい・・・お前きめろっ!」
「ぇぇ~・・・」
ぶつくさいいながらアンモナイトが並ぶ棚の前にしゃがみこんだ。
その郁の背中を見ながら・・・
お前な~!二冊買ったら、しまいには家に二冊になるだろうが!ってやっぱり俺は先回りで考え過ぎか?
はぁ・・・
郁は俺と過ごす事をどう思っているんだろう。
どう考えているんだろう・・・。
「これがいいかなぁ・・・」と小さなアンモナイトが入った石を選び、手にとり堂上に差し出した。
「これくらいなら、可愛くていいかなぁって。どうですか?」
「じゃあこれにする」と堂上は掴むとレジへと急いだ。
・・・・なんか教官赤くなってる・・・可愛いっ!
再び走り出す車。
「わぁ!教官!大きい緑色のプリン!!」
「あぁ?!」
「ほらっなんですか?あれ」
「ん~あ、あれか。あれは大室山だそうだ」
「へぇ~」
「リフトで上まで登れるぞ。よるか?」
「え?いいんですか?」
「あぁ行ってみよう」
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