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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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堂郁の日SS~オレンジ~入舎の日

ども♪まるちゃでし!

え~っと10月19日は「堂郁の日」と言うことで、

今年はカップル成立後・・・婚約直後。
図書基地内にある官舎へ初めて足を踏み入れる日を妄想しました。

だから「入舎」といっても「引越し」ではないです。

少しだけオリキャラが出てきます。

官舎への手続きとか、そういったものもまるっと捏造ですので、
様々な誤差はご容赦いただきたいと思います。


堂郁の日と言うことで、私も含めまして皆様も様々なサイトさまを渡り歩くと思います。
色々と堂郁の日を楽しみましょう!

と言うことで、☆ 入舎の日 ☆よりどうぞ。

一部機種の方は、そのまま下への『☆☆☆』からそのままお読みいただけます。

よければ拍手からのコメントもお待ちしています!

ではどうぞ!!

拍手[86回]

☆☆☆

オレンジ~入舎の日~

別冊Ⅰ「シアワセになりましょう」の後。
少しだけオリキャラが出ます。








あの大喧嘩を乗り越え、婚約へとたどりついた。
隊長にはすぐ報告し、それは隊員たちへも報告された。

自分が思っているよりも、隊外への情報の伝達は早かったようで、その日の午後には福利厚生にいる同期のヤツから話かけられた。

「なぁ堂上、結婚決まったんだって?オメデトー!あのさ、あれだろ?官舎に入居希望出すだろ?」

いきなり背後から首元に手を回されて、少しむせたフリでテレを隠した。

「ん・・あぁ。」
「いいタイミングだぞ~~~。入れるの一ヵ月後な!」
「はぁ?ちょっちょっとまて!希望者が先にいただろ?」
「なんだ調べてたのかよ。でもな、その希望出してた隊員がな、なんでも都内に住んでる親御さんが倒れてな、同居に切り替えたから希望は取り下げられたんだ。
だからクリーニングはいったら入居できるぞ~。よかったな!」

「いやぁ、でもまだ彼女の親御さんに挨拶もしていないし・・・入籍もまだだし・・・日取りが・・・・。」
「なんだよ、親に許しをもらわないと一緒に住めないってか!かたいなぁ~~!
まぁ一ヶ月あるから、もろもろ書類・・・何が必要かどうせもう調べてあるんだろ?それをそろえてさ、さっさと入居しちゃえよぉ~!」

そこまで言うと、同期はバンバンと堂上の肩をを叩いて笑いながら去っていた。

業務が終わり、今日は久々に外に飯を食いにいこうと郁を誘い出す。
そこはこの基地に住むようになってから堂上が時々使ってきた小さな居酒屋で、量も多くて安い。
もちろん料理の味も旨く、郁が部下の頃から連れてきているので彼女もすでに常連だ。


「あれ!久しぶり!郁ちゃ~ん。今日もアジフライにするか?すぐ揚げるぞ?」

人懐っこい笑顔の店主に迎えられて、いつもの席に座った。

「やった~~!おじさんの揚げるの大好き!キャベツも大盛りでね!」

と郁もうれしそうに微笑み返しているのを見ながら、俺も二つ三つ注文を重ねた。

「で、教官、どうしたんですか?なんかいい事ありました?」

驚いて顔を上げると、

「私だってわかっちゃうんですよ~~」とご機嫌だ。

その得意そうな笑顔に少し拗ねる気持ちが沸く。
拗ねるというか・・・甘える・・だな。この年になってもやっぱり心底好いた女には甘えたい気持ちが沸くのは、これは男として仕方がないことなんだと、一人心のなかでごちた。
そんな気持ちがばれないように、顔を引き締めて「叱る」匂いを表情に浮かばせて郁を睨んだ。

「郁、名前。」
「あ、そか・・・えっと・・・あつしさん?何かいいことありましたか?」

ほほを染めて聞いてくる郁は、これまた可愛くて、こんな郁と一ヵ月後には一緒に暮らせるかと思うと、うれしくてつい顔も緩むのが止められない。
先ほどの俺の努力なんて、一瞬で吹き飛んでしまう。

「実はな、同期のヤツで福利厚生にいるやつがいて、俺達の婚約を聞きつけて官舎が空く予定を知らせてくれてな。」
「えぇ?官舎ですか?・・・そうかそうですよね、あそこに住めれば一番いいものね・・・」
「なんだ、マンションとか基地外がいいのか?」
「いや、そうではないんです。ちょっと・・ん・・・うまくいえないんですけど・・・すごいなって・・」へへっと笑いながら揚げたてのフライを箸でつかんだ。

「それでな、官舎に入るには、入籍済みの住民票とか必要だし、一応希望はそういった書類と一緒に出すのが通例なんだが、先に話だけ通して押さえてくれるらしいんだ。」
「え?いいんですか?」
「なんかな、手を回してくれたらしいんだ。だから俺はその好意にのっかりたい。
だからなるべく早くにご両親へ挨拶に行って、入籍だけでも済ませてしまいたいんだ。」
「えぇ?ら、来月ですか?あの、ちょっと・・・」
「なんだ・・・?」

思わず食べる手がとまり、顔色も変わる郁をみて、こちらは胃が痛むきがした。
『嫌なのか?』と言う言葉が口から出すことが出来ずに胸に痛く残った。

「あの、うちのお母さんってほら・・・結納・・あ、お式とか・・は?」
「とりあえずだ、だからとりあえず。先に同居だ。そのあと結納も考えるし、式はもちろん挙げるし旅行にもちゃんと行こう。ただちょうどタイミングがいいし、だな・・・。その・・・。」
「その??」
「だから『一緒に過ごしたいと思ってるのはお前だけじゃない』ってことだ!それくらいわかれ!!」

そこまで言うと、ぐっとジョッキを持ち上げて飲み干した。
郁の顔をみれば、大きな目に目いっぱい涙がたまってる。

「なんだ・・どうした」ハンカチを差し出すと素直に受け取って目に当てながら話し始めた。
「うぅだって。びっくりしちゃって。挨拶とか、電話で結婚するって、まだ言えてないんです・・私あの・・なのにもう挨拶に行くって・・・・この前は数ヶ月かかるってぇいうし・・・服とか・・・旅行とか・・どれすとかぁ・・一緒にくらせるって・・・だって・・・掃除機とかぁ!・・・だってぇ~~~」
「あぁ・・・驚かせて悪かった。ちょっと先走ったな。」

篤は、ひぃ~~~となるべく声を抑えて泣いている郁の頭をポンポンとやさしくたたいた。

「俺としては、あのときから・・・部屋を借りるぐらいなら一緒に住もう。入籍しようと・・。いやもっと前からだ。郁とは早く一緒になりたかった。」
「しょんなのちゃんろいわないと・・・・・んぐ・・・わからないじゃないですかぁ~~!」
「ん・・・だから悪かった。悪かったから泣くな。な?」
「しばさきとかが・・・掃除機とかぁ・・・だからあのっおかあさんともぉ・・・うぅ~~~~・・・。」
「あらあらあら!堂上さんったらまぁまぁまぁ!」

郁の泣く様子に驚いたお店のおかみさんが、真新しい手ぬぐいを出してきて飛んできた。

「こんな郁ちゃんを泣かせる男なんかのハンカチより、おばちゃんとこの手ぬぐい使いな。ね?ほらほら~」

郁の手から汚いものでもつまむように俺のハンカチを取り上げると、ぽいっと俺に投げてよこした。

「おかみさん・・・」
あまりの客あしらいに、思わずため息が出た。

「ありがと・・とうおばちゃ・・・うっく・・・」

え?ありがとうなのか?郁?と俺も目を剥いて郁をみつめてしまった。
その表情を読んだのか・・・

「あ!ちがうんでしゅ!・・・んぐ教官は悪くなくてぇ・・・・あのねおばちゃん・・・・」
「うんうん。かばわなくていいから、おばちゃんは郁ちゃんの味方だからさ、ね。」

まだ涙と気持ちが治まらない郁が、俺たちの結婚をなんとかおかみさんに伝えると、
なんだマリッジブルウってやつね!とい郁の背中を勢いよくはたいて
「ちょっとあんた!大変!」と厨房へと駆け戻っていった。
郁の涙は、めでたい話だと店主があれやこれやとサービスで出した料理をみてようやく止まった。




店からの帰り道に公園へ寄るのもいつものことだった。

「ふぅ~~~ちょっとい食べ過ぎましたね!」

へへっと笑いながらいつものベンチへと腰を落とした。
俺も郁の隣に座る。
郁が少し身体をこわばらせた。
なんだ?どうした?

「郁?・・・どうした?」

恐る恐るしかしそれを悟られないように柔らかくたずねた。

「あの、いま実家に電話してもいいですか?きょ・・あつしさんとなりであの・・」

また涙が戻ってきそうな勢いなので、そのまま頭をポンポンと叩いて落ち着かせて
「あぁ、俺も少しおやじさんと話をしたいしな・・・」

実家への電話は郁にとってはまだまだ抵抗があるようだ。
しかし母親はともかく、電話にでた郁の親父さんは

「なんだ、そういうことなら明日でも入籍しちゃったらどうだ。それで官舎って同じ基地内にあるんだろう?ならば官舎に早くは入れればお前達も楽だろう?
結納の日取りは堂上さんのご両親と相談しよう。まぁ、そういう事情なら結納は後でもいいだろう・・・」

と非常にあっさりしていて、郁は正直に驚いた。

電話を切った後、
「さっさと貰ってもらわないと、こんな娘はもう貰い手がないとか言われてる気がする・・・・。」

とぼそっとつぶやく郁の可愛さに、声を上げて笑ってしまい、そのあとはコンビニで郁に好きなものを買ってやるとなだめる羽目になった。
俺以外の人間が、お前を貰う可能性?そんなもんある訳がない。
だからその考えは合っている。俺以外にお前の『貰い手』なんぞあるか!



篤も部屋に戻ってから、自分の実家に連絡をした。
やはり両親とも「じゃぁ入籍しちゃえば?ちょっとカレンダーもってこい。どうせならいい日にしろ。」と大安を調べては「ん、この日がいい!」と勝手に決める始末だ。
やはり、結納は後日両家で連絡を取り合って決めることになった。



一月後。
夜勤明けに施設管理課から鍵を受け取ったので、二人で仮眠をしてから官舎に行ってみようという話しになった。
引越しはまだ先だが、鍵をもらったからにはこの鍵を使ってみたかった。

入ってみたかったんだ。俺一人ではなく、郁と一緒に。

2人で官舎の階段を上がり鍵を開ける。
先に郁に入るようにドアを開けたまま促した。
へぇ~っと驚きの声を上げている郁の横姿に、ちょっといたずら心がわく。

靴を脱ぎながら「わ~」だの「きゃ~」だの言う郁を、屈んで腰抱きに持ち上げた。

「きゃぁ!篤さん!何してんですか!」きゃとかいいながらも郁は俺の首に手をまわしてしがみついてきた。
「何って、花嫁の第一歩はダンナが抱き上げてするもんだろ?ちがうのか?」とおどけてみせる。
「もう!ばかなんだから!」そのまましがみつく郁を抱き上げたまま、部屋にすすみリビングに入った。
すとんと郁の足を床に着かせた。

郁は予想外に黙って静かになった。
ただだまってゆっくりと周りを見ている。

「・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・郁?どうした?」

心配になり郁の顔を覗きこんだ。
不安げに揺れる瞳に俺の心がきしむ。

お前をもう放さない。
それがどんなに強い気持ちか!

だがそれも彼女のにじませる不安な色を前に、音を立ててきしんでしまう自分がいる。
俺は弱い・・・こうも・・・。

すると郁がきゅっと俺に抱きついてきた。

「いく?」

「・・・・・・・・・こわいんです」

「怖い?」

「『笠原』じゃなくなって・・・新しい・・生活と・・新しい部屋と・・・私・・・・・うまくできるんでしょうか?あの・・・私・・・・」

今度は俺が郁をぎゅっと力をこめて抱きしめた。

「なぁ・・・うまくやれなくてもいいじゃないか。俺の郁らしく、俺のそばにいてくれよ。
俺だって失敗することもある・・そのときも郁は・・・俺の隣に変わらずにいてくれるだろ?」

「は・・・はい!はいっ!」

俺の腕の中で、郁ははじかれたように顔をあげてくれた。
少し涙ぐんだ、その瞳の中にいる自分が見える。
彼女の髪も、頬も、夕日がオレンジに染め上げた。

何もない部屋の・・カーテンさえもない窓・・・沈みかけた陽射しが貼り換えたばかりの白い壁をオレンジに染めている。

「この色を私は一生忘れないと思います。」

俺の肩に顔をうずめて、郁はそうつぶやいた。
俺も忘れない。     忘れない。


言葉で伝える替わりに、もう一度郁を抱く腕に力をこめた。

郁が俺の肩から顔を上げた。
その微笑が「わかってます。」といってくれてるようで、俺もうれしくなる。

微笑みあう二人、
オレンジのなかで、そっともう一度腕に力をこめた。

                             END






余談・・・福利厚生部施設管理課・・が官舎の管理運営をしていると妄想。


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