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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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SS 金木犀

ども♪まるちゃでし!

拍手コメントへのお返事をお待たせして申し訳ありませんが、
堂郁の記念日と言うことで、先にこちらをアップします。

これは書き溜めていたものではなくて、急遽考えてひねり出したものですので、
ちょっと読みにくいかもしれません。
技巧的にいたらないところはご了承ください。

今回は、『郁ちゃんの運命的な出会いの日』の3年ほど前の話で、
まだ中学生です。
オリキャラの「友達」との帰り道を妄想しました。
私も部活のあとに友達と一緒に帰っては途中でおしゃべりをしました。
もう授業と部活でへとへとで学校を出たはずなのに、公園とか遊歩道とかでついつい友達とおしゃべべり。そんな場面です。
話してる内容も「中学生らしい感じ」を40過ぎたおばはんが思い起こして書いています。大人の言い訳を子供の頭でそのままちょっとねじれてはいってるので、おかしなところもあると思いますが、流してくださいませ~~~~。

では畳まれてる方は ☆ 金木犀 ☆よりおはいりください。
お話は☆☆☆の後から始まります。



拍手[36回]

金木犀

☆☆☆

SS金木犀


「ねぇ、運命って信じる?いっちゃん」

中学からの帰り道、すっかり秋となったその空は夕暮れになっていた。


「へ?運命?運命って・・・・」
「だから結婚相手とか。」
「あ~~~~~。」

二人は団地の側の公園へと入った。
常緑樹に囲まれて季節感のない中に、金木犀の香りだけが際立って主張している。

この公園をでて坂を上っていくとこの友人の住むマンション。坂を下っていくと郁の住んでいる住宅地へと続く。

郁の同じ部活・同じクラスの友達の望月あやかと郁の二人はベンチへは座らずに、遊具を囲む柵に腰掛ける。
原色がさらに季節感を奪っている。


「あのね。私のいとこのお姉ちゃん。ほら東京に住んでるっていうお姉ちゃん・・・覚えてる?郁ちゃん」
「あ~短大をでて会社員になったっていってたおねえちゃんでしょ?」
「そのね、さちねぇが、結婚するんだって。今年の春に会社に入って・・・・もうおなかに赤ちゃんいるんだって」
「え?ああああかちゃん?」
「すごいよね。なんか色々とすごいよね」
「う・・・うん」

あやかは一つに結わいていた髪をといて、カバンからラメでキラキラ光る可愛らしいブラシを出してきて髪をとき始める。
少し枝毛を探すようなしぐさが、すっと髪を短くしている郁にとっては、自分にかけている「女性」がそこにあるようで、
痛くもいとおしい仕草だった。

彼女はそんな郁の気持ちには気付かず、髪の毛に気持ちはない様に話を続ける。

「でね、この前の連休がさ、おばあちゃんの法事でさ、久しぶりに会ったのよ」
「うんうん」
「夏休みに泊まりに行ったときは、そんなこと全く言ってなかったの」
「え?夏休みに?だって結婚するんでしょ?」
「そう!あれからちょっとしか経ってないのに・・・実はこのたびとか言っちゃって・・実は結婚することになりました。だって!」
「へぇ~~」
「それでさ、さちねぇに聞いてみたの。そしたら『初めて会ったときにびびびっとしたの!』とかいってんの。
だって春も夏も、さちねぇは普通に見えたの。私が渡辺君のことを相談したときも『いいね。好きな人がいて』とか言っちゃって。
さちねぇったら『彼氏も好きな人もいない発言』してたんだよ?」
「えぇ~~~~!」
「ねぇ・・・本当にそんな風に男の人と会ったときにびびびって感じると思う?」
「え?どうなんだろ。でも赤い糸みたいな表現より・・・実際にびりびりしたほうがわかりやすいよね?」
「やだいっちゃん。なんかそれ、電気ショックみたい!」

二人して声を上げて笑った。
とにかく笑い声が出やすい年頃である。

「でもでも・・・なんか悲しくなっちゃってさ、だからさちねぇに『なんか嘘ついてたの?前と言ってること違うじゃん』って聞いたの」
「うんうん!」
「したらね『自分の気持ちが信じられなくて、一生懸命に蓋をしてたのだから好きでも本当の事ではなかったから』って。好きなのに、蓋して、嘘にしてたんだって。
いっちゃん!そんなこと出来る?好きは好きなのに、その気持ちに蓋をして・・なんてさ~!」
「ん~~~。よくわかなんないよ~~~」

あいまいに笑うしかない郁に、あやかは真面目な顔で見つめてきた。

「ねぇ?いっちゃんは今は好きな人は居ないって言ったけど。それは私や自分に嘘をついてないよね?」
「へぇ?嘘?なんで?」
「本当のことを言ってくれてるならいいの。いっちゃんは一番の友達だし、私もいっちゃんには嘘をつかないから!」
「・・・・」

「いっちゃん?どうしたの?」
「え?・・あ~~~。なんかさ、そんな風に大人になったらなるかなって。
今まで好きな男の子はできてもさ、びびびっときたこともないしさ、あやかが言ったみたいに『好きは好き』なんだよね。
いつもいつも好きになったら私も止まらないもん!」
「そうだね、特にいっちゃんはずばっとストレートだもんね!」
「うん!」
「あとねあとね、驚いたのが『自分の気持ちに気がつくのが遅かった』とかいっちゃてんの!」
「へぇ~~~!なんかマンガみたい!」
「でしょ?でしょ?『自分の気持ちに気がつくのが遅くって、相手をずいぶん待たせちゃった』って」
「へぇ~待っててくれてたんだ!すごいね!」
「なんかね『ムリだなって思っても捨てることができなくて、大事にしてとって置きたいってぐらい好きだったってこと』っていうんだけど、
ナニソレ?って感じでさ」
「ふぅん・・・すごくは好きだったの?あれ?気がつかないぐらいなのにでっかい好き?よく分からないなぁ

「だよね。なんか色々とびっくりしちゃったよ。おまけにデキ婚だもん。まさかいとこのお姉ちゃんが!て感じだよ」
「ふぅん」

あやかはそこまで話終わると、解く前と同じに髪をゴムでまとめた。
カバンにブラシをしまってから。

「まったく、これから私達は受験っていう人生のキロに立とうとしてるのに、
よく考えて進路先はきめるんだよ!なんていってたねえちゃんがこれだよ。
『さちこは行き当たりばったりな人生だ!』とかおばちゃんたちにも言われてた」

あやかは大げさな身振り手振りで話しているのを、郁も一緒に声を上げて笑った。

「でもさ、幸せそうなの。私さ・・・なんか悩んでることに自信がなくなっちゃった。よく考えてもよくない結果になっちゃったりさ・・・しないかとかさ」
「うん」

郁は両親と進路希望がずれてしまってる友人の顔を心配げに見つめるしか出来なかった。

郁は陸上で高校を決めた。
もともと母親も郁の進路先にと考えていた学校だったので、珍しく郁の希望は受け入れられていた。

「さちねぇ・・・すごくおばさんとも喧嘩したんだって。おじさんも最初は大反対してたって。
・・・でも彼のところにいくって、赤ちゃん産むってお姉ちゃんが折れなかったって。相手の人が会社の上司で、「きちんとした人」だからゆるしたんだって」
「へぇ・・・すごいなぁ」

郁は、自分では親の反対を押し切って・・・なんて出来ないなと思った。

お母さんはいつもいつも、私のことを認めてくれない。

でもだからといって『一人で生きていく』なんて、『家族と別れる』なんて想像もつかない。

まだ中学3年生の郁には考えられないことだった。

郁は公園をでてあやかに手を振りながら坂をくだる。

なだらかだが長いこの坂は、とても眺めがいい。

秋の空は高く
澄んだ空に浮かぶ雲が陽に色を変えられていく。

いつかきっと  私も運命の出会いとかってするんだろうか。

家族に反対されても、その運命の相手をとるなんて。

自分でも信じられないぐらいに好き。大好き。

そんな相手に私は出会えるんだろうか?

私を待っててくれる人なんているのかな?こんな私を・・・。



頬を陽に染めて。郁は最後の曲がり角を走り降りた。


「ただいま!!」

勢いよくドアをあけて、その勢いで靴を脱いで二階に駆け上がる。

「女の子がなんですか?!もういい加減にしなさい!!」といつものようにお母さんの「お叱り」が追いかけてくる。

逃げるようにベッドに飛び込んだ。


お母さんが洗って取り替えてくれた枕カバーからは、ほんのりと金木犀の香りがした。



終わり



2015/10/27改








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旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
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