春風駘蕩
図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着
SS 不思議の国の笠原 (5)
- 2011/07/22 (Fri)
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ドリームシチュエーションSSです
ララのドリームシチュエーションで見事グランプリをとって表紙となった
「不思議の国のアリス」をみて、思わずできちゃったSSです。
本編とは無関係ですし、本作は私が表紙をみて、妄想はじけちゃった産物です。
それでもよいという方は、どうぞお付き合いくださいませ。
本日で5話目になりました。
たたんだ先にも書いてありますが、今回だけちょっとエロイ感じの堂上いじめがります。
苦手な方はさけてください。
誤字修正と表現を一部たしました(2016/07/04)
では☆不思議の国の笠原 (5)☆よりどうぞ。
ララのドリームシチュエーションで見事グランプリをとって表紙となった
「不思議の国のアリス」をみて、思わずできちゃったSSです。
本編とは無関係ですし、本作は私が表紙をみて、妄想はじけちゃった産物です。
それでもよいという方は、どうぞお付き合いくださいませ。
本日で5話目になりました。
たたんだ先にも書いてありますが、今回だけちょっとエロイ感じの堂上いじめがります。
苦手な方はさけてください。
誤字修正と表現を一部たしました(2016/07/04)
では☆不思議の国の笠原 (5)☆よりどうぞ。
☆☆☆
不思議の国の笠原 (5)
郁ちゃんは記憶が書き換えられてます。自分の事はメアリー・アン
それと、ウサギの耳が生えた堂上教官にそっくりなウサギ男の名前はマクトウィスプです。
イカレ帽子屋は小牧教官でねずみの彼女は毬江ちゃんです。
チシャ猫は柴崎の姿です。
トカゲ男にちょっと昨晩は騙されて翻弄されました。
途中、ちょっとエロ~イ感じの箇所があります。いい感じのエロ~イ感じじゃございません。
堂上さんいじめです。
次の朝、彼女が目を開けるとそこには自分を覗き込むマクトウィスプ(堂上)の顔があった。
「起きたか?」
「あ、はい・・・」
頭上高くから降り注ぐようなやさしい声に小さな胸は張り裂けそうになっていた。
「ちょっと動くぞ」
そいうとなるべくゆっくりとカゴごと家の外に運ばれた。
着いた先は家の脇に流れる小川だった。
そっと手が下りてきて、カゴから彼女を地面に下ろした。
昨日、イカレ帽子屋がねずみの彼女にしたしぐさを思い出し、彼女の胸は高まった。
つんつんと頭をつつかれて見上げると、マクトウィスプが水面を指している。
そっと覗きこむ。
落ちないように指でエプロンの後ろを掴んでくれてるのがわかる。
「思い浮かべろ」
何を言ってるのかわからなくて振り返る。
「水面に映る自分の姿を・・・。元の大きさだと思い浮かべるんだ」
えぇ?っと驚くが「君のような感覚派」と言うトカゲ男の言葉が思い出されて、素直に水面を覗きこむ。
水面に映る・・・私・・・ってあれ?・・・・青い服じゃない。
あれはそうだ、トショトクシュブタイの隊服・・・図書特殊部隊?
そして隣の男の人はえっと・・・・。
そこでぐいっと後ろから強く引かれて立ち上がった。
そしてぐっと背後から抱きしめられ・・てる?
「あ、あの・・」
「あぁ、すまん」
すぐに腕はとかれてなんともいえない寂しさが少しだけにじんだ。
「ほら、朝飯食ったら出発だ」
元の大きさになったということも、水面に浮かんだ今とは違う二人の姿も、いきなりの抱擁で彼女の中からは消し飛んでしまった。
* * * * *
朝食は二人で用意したが、出来上がりはなんとも微妙なものになった。
「とにかく、腹にたまればいい」
そういって、周りが鋼鉄のように硬くなった目玉焼きをバリバリとマクトウィスプは租借した。
その姿に思わず噴出すと
「いつもはもう少しマシにできるんだがな・・・・喰えんのか?」
「いえ!食べます!いただきます!!」
少しだけ、ほんの少しだけ。
元の世界に・・・元の記憶を取り戻さなくちゃとは思ってるのだけど。
あと少しだけ・・・・この時間が続けばいいと思った。
家から城への道はまた鬱蒼とした森になる。
数時間歩いた所でマクトウィスプは唐突に歩みを止めた。
「あそこの花の森にいって食料を調達してくる」
「あ!私も一緒に・・」
「来るな!待ってるんだ・・・。女性は花の森にへはあまり入るもんじゃないんだ。
いいから大人しくここで待ってるんだ、いいな」
はい・・・という答えが耳に届く前に、背をむけたまま歩き出すウサギ男の背中を、なんであたしはこんなに苦しい気持ちで見てるんだろう。
ふぅとため息をついた。
* * * * *
彼女と別れて花の森に入ったウサギ男。
バタつき蝶以外の食べ物はないかと見回している。
昨日のバタつきパンを美味しそうに食べる彼女を思い出し、男の心に火が灯る・・・。
「あらん・・・くすぐったいわ」
しまった。うっかりスミレの葉を踏んでしまった。
もう遅い、いつもならしないミスにマクトウィスプは舌打ちをした。
「あらあらあら?今、可愛い舌打ちが聞こえませんでした?みなさん?」
ざわざわざわろ葉音が大きくなった。
風で出ているのではない。花が自分たちで動いて鳴っているのだ。
「あら・・・めずらしい。マクトウィスプじゃないの?」
「あら本当。スペードの王子・・・おほほほほほ!可愛い長いお耳になったのねぇ!」
「そんなに可愛い姿を今まで私達に見せに来ないなんて・・・本当にじれったいお方ね・・・」
「ねぇ!もっと奥までいらっしゃって!!」
「そうよ!あなた方だけずるいわ!」
「この方は昔からじらすのがお上手だからぁ・・・ほほほっ」
「まぁ・・・坊やったら聞こえないフリ?そんな気の引き方をまだなさるなんて・・・かわいいわぁ・・・。
あの頃と変わらずかしら?・・・・ねぇジャック?」
鼻にかかったような甘い声を出しながら、葉でそおっとウサギ男の耳をなで上げた。
「まぁリリィったら・・・ほほほ・・そうね本当に若くて素敵・・・素敵な王子」
今度はバラが葉で肩から背中をなでおろしている。
「そうね素敵だわ」
鈴蘭が花を揺らして芳香を漂わせた。
その芳香に頭がくらりとする。
懸命に頭を振ってしまった。
それを見た鈴蘭が花をもたげて顔に寄せて微笑む
「聞いてますのよ・・・貴方の可愛いお方のお話・・・」
マクトウィスプはっとして花をみた。
「まぁ!素敵な瞳。黒い黒い剣のような。さすがスペードの王子」
頭を振り、冷静になれ!と心に念じ。花達を無視して歩き始めた。
「私達に逢いにいらっしゃったのではないのなら・・・何しにいらしたの?」
花たちの中でも幼い声が響いた。
「まぁデイジー、わからないの?逢いにいらっしゃったのではないのよ」
「そうそう、足を忍ばせて、この園に盗みにいらっしゃった!!」
おほほほ!!
一斉に笑い出した花々から芳香が散り、ウサギ男は必死に意識を保つことに集中した。
「まぁ!まぁ!ずいぶんと我慢強い坊やですこと!」
「探し物のが見つかるまで我慢できるかしら?」
「わたしが捧げてもよくってよ。さぁ王子・・・」
「まぁ!ダリア!抜け駆けはダメよ!!」
「ねぇ誰のために何を探してらっしゃるの?」
「誰のために・・ですって?デイジーたら・・・バカおっしゃいな!」
「何が馬鹿なのよローズ?」
「デイジー?誰のためにじゃないわ。この王子は自分のためによ」
「あら、おなかが空いてらっしゃるのはマクトウィスプなの?」
「デイジー!アンタって単純ね!」
「やめてよパンジー!」
「自分じゃなくて、待っているお方に食べさせるために必死になってらっしゃるのよ」
「でもそれでは『その方のために』・・・ではないの?」
「違うわ、彼女をカゴで運べば食料の調達なんていらなかったのに、彼は彼の欲のために・・・」
「あ~、そういうこと」
くすくすくす・・・・花たちがマクトウィスプの頭上で笑い出した。
私達には目もくれないくせに・・・・くすくすくす
・・・それからどうなさるおつもりかしらぁ・・・
・・・まぁはしたない・・・決まってるじゃありませんの?・・・くすくすくす
「「「彼女にやさしいフリをして抱き込んで、くすくすくす・・・・その後は自分の立場のためにあの女王に!!!」」」
声高に叫ぶ花たちの息はぴったりで、深い黒い森にその声だけが盛りに響いた。
「黙れっ!!!!!」
きゃ~~~きゃはははははは!!
マクトウィスプは怒鳴るだけ怒鳴って、笑い狂う花の森から駆け出した。
はぁはぁはぁはぁ・・・暗い森の木の幹に、手をついてうなだれながら呼吸を整えた。
花たちの香りがまとわりついて、まだくらくらする身体を必死に立て直した。
違う違う!俺は!!
俺は違う!!
「ん?何が違うのさ。野営の予定を覆して家に引き込んだと思えば、・・・銀縁メガネのトカゲ野郎の口車にのってさ、勝手に大きさを変えやがった娘を、なにもとの大きさにしてやってんだよ」
うつむく暗闇に現れた靴の持ち主をマクトウィスプ(堂上)はわかっていた。
「なんの用だ・・・イカレ帽子屋・マッドハンター(小牧)」
「つれない呼び方するなよ、スペードの王子」
「うるさい!俺はもう王子じゃない!」
「なんであの子をもとの大きさにもどしたの?あのままカゴごと運べば、全て順調だったんじゃない?
本当につめが甘いよ。王子さま。それがお前のいてった覚悟ってやつなの?」
「ちゃんと最後には仕事をやり遂げる!言っただろ!迷いはないんだ・・・!」
「無理しちゃって・・・ほら、これ」
「・・・・」
「睨むなよ。もう何も仕込んでないさ。なんなら俺、食べて見せようか?」
「お前が作った毒はお前には効かないんじゃなかったのか?」
「効かないよ、でも恐ろしくまずく感じるんだ」
試す?と微笑む男の手から、サンドイッチが入ったバスケットを奪い取った。
そのまま背を向けて歩き出す。
マッドハンターは薄笑いのままウサギ男に話しかけた。
「ねぇ、花たちが知ってるって事はさ、トカゲ男がすでに手を回してるって事だよ?」
「あぁ」足を止めて、わかりきったことを言うなと睨みつけた。
「ふふふわかっていても、こっちも色々と心配なんだよ。お前、いつもと全然違うって気がついてるんだろ?」
ウサギ男は睨むのをやめて再び歩きだした。
遠ざかっていく後姿に帽子屋はそっと呟いた。
「全く、ややこしい男だネェ・・・」
「本当・・・クローバーのジャック様もいつもとは違いますのね」
「おや我が君?起きていたのかい?」
マッドハンターの肩にはねずみの姿の彼女がちょこんと座っている。
「えぇ、先ほどからずっと。美味しそうなピクルスの香りに目が覚めました」
「ははは、いいだろ、戻って僕等もアフターヌーンティーといこうか」
彼女は微笑むその彼の頬へ、そっとキスをした。
「ん?僕は大丈夫だよ?なんていっても君がそばにいる・・・。そうだろ?」
「・・・はい」
そして二人も森の暗闇に消えていった。
不思議の国の笠原 (6 最終話 )に続く
不思議の国の笠原 (5)
郁ちゃんは記憶が書き換えられてます。自分の事はメアリー・アン
それと、ウサギの耳が生えた堂上教官にそっくりなウサギ男の名前はマクトウィスプです。
イカレ帽子屋は小牧教官でねずみの彼女は毬江ちゃんです。
チシャ猫は柴崎の姿です。
トカゲ男にちょっと昨晩は騙されて翻弄されました。
途中、ちょっとエロ~イ感じの箇所があります。いい感じのエロ~イ感じじゃございません。
堂上さんいじめです。
次の朝、彼女が目を開けるとそこには自分を覗き込むマクトウィスプ(堂上)の顔があった。
「起きたか?」
「あ、はい・・・」
頭上高くから降り注ぐようなやさしい声に小さな胸は張り裂けそうになっていた。
「ちょっと動くぞ」
そいうとなるべくゆっくりとカゴごと家の外に運ばれた。
着いた先は家の脇に流れる小川だった。
そっと手が下りてきて、カゴから彼女を地面に下ろした。
昨日、イカレ帽子屋がねずみの彼女にしたしぐさを思い出し、彼女の胸は高まった。
つんつんと頭をつつかれて見上げると、マクトウィスプが水面を指している。
そっと覗きこむ。
落ちないように指でエプロンの後ろを掴んでくれてるのがわかる。
「思い浮かべろ」
何を言ってるのかわからなくて振り返る。
「水面に映る自分の姿を・・・。元の大きさだと思い浮かべるんだ」
えぇ?っと驚くが「君のような感覚派」と言うトカゲ男の言葉が思い出されて、素直に水面を覗きこむ。
水面に映る・・・私・・・ってあれ?・・・・青い服じゃない。
あれはそうだ、トショトクシュブタイの隊服・・・図書特殊部隊?
そして隣の男の人はえっと・・・・。
そこでぐいっと後ろから強く引かれて立ち上がった。
そしてぐっと背後から抱きしめられ・・てる?
「あ、あの・・」
「あぁ、すまん」
すぐに腕はとかれてなんともいえない寂しさが少しだけにじんだ。
「ほら、朝飯食ったら出発だ」
元の大きさになったということも、水面に浮かんだ今とは違う二人の姿も、いきなりの抱擁で彼女の中からは消し飛んでしまった。
* * * * *
朝食は二人で用意したが、出来上がりはなんとも微妙なものになった。
「とにかく、腹にたまればいい」
そういって、周りが鋼鉄のように硬くなった目玉焼きをバリバリとマクトウィスプは租借した。
その姿に思わず噴出すと
「いつもはもう少しマシにできるんだがな・・・・喰えんのか?」
「いえ!食べます!いただきます!!」
少しだけ、ほんの少しだけ。
元の世界に・・・元の記憶を取り戻さなくちゃとは思ってるのだけど。
あと少しだけ・・・・この時間が続けばいいと思った。
家から城への道はまた鬱蒼とした森になる。
数時間歩いた所でマクトウィスプは唐突に歩みを止めた。
「あそこの花の森にいって食料を調達してくる」
「あ!私も一緒に・・」
「来るな!待ってるんだ・・・。女性は花の森にへはあまり入るもんじゃないんだ。
いいから大人しくここで待ってるんだ、いいな」
はい・・・という答えが耳に届く前に、背をむけたまま歩き出すウサギ男の背中を、なんであたしはこんなに苦しい気持ちで見てるんだろう。
ふぅとため息をついた。
* * * * *
彼女と別れて花の森に入ったウサギ男。
バタつき蝶以外の食べ物はないかと見回している。
昨日のバタつきパンを美味しそうに食べる彼女を思い出し、男の心に火が灯る・・・。
「あらん・・・くすぐったいわ」
しまった。うっかりスミレの葉を踏んでしまった。
もう遅い、いつもならしないミスにマクトウィスプは舌打ちをした。
「あらあらあら?今、可愛い舌打ちが聞こえませんでした?みなさん?」
ざわざわざわろ葉音が大きくなった。
風で出ているのではない。花が自分たちで動いて鳴っているのだ。
「あら・・・めずらしい。マクトウィスプじゃないの?」
「あら本当。スペードの王子・・・おほほほほほ!可愛い長いお耳になったのねぇ!」
「そんなに可愛い姿を今まで私達に見せに来ないなんて・・・本当にじれったいお方ね・・・」
「ねぇ!もっと奥までいらっしゃって!!」
「そうよ!あなた方だけずるいわ!」
「この方は昔からじらすのがお上手だからぁ・・・ほほほっ」
「まぁ・・・坊やったら聞こえないフリ?そんな気の引き方をまだなさるなんて・・・かわいいわぁ・・・。
あの頃と変わらずかしら?・・・・ねぇジャック?」
鼻にかかったような甘い声を出しながら、葉でそおっとウサギ男の耳をなで上げた。
「まぁリリィったら・・・ほほほ・・そうね本当に若くて素敵・・・素敵な王子」
今度はバラが葉で肩から背中をなでおろしている。
「そうね素敵だわ」
鈴蘭が花を揺らして芳香を漂わせた。
その芳香に頭がくらりとする。
懸命に頭を振ってしまった。
それを見た鈴蘭が花をもたげて顔に寄せて微笑む
「聞いてますのよ・・・貴方の可愛いお方のお話・・・」
マクトウィスプはっとして花をみた。
「まぁ!素敵な瞳。黒い黒い剣のような。さすがスペードの王子」
頭を振り、冷静になれ!と心に念じ。花達を無視して歩き始めた。
「私達に逢いにいらっしゃったのではないのなら・・・何しにいらしたの?」
花たちの中でも幼い声が響いた。
「まぁデイジー、わからないの?逢いにいらっしゃったのではないのよ」
「そうそう、足を忍ばせて、この園に盗みにいらっしゃった!!」
おほほほ!!
一斉に笑い出した花々から芳香が散り、ウサギ男は必死に意識を保つことに集中した。
「まぁ!まぁ!ずいぶんと我慢強い坊やですこと!」
「探し物のが見つかるまで我慢できるかしら?」
「わたしが捧げてもよくってよ。さぁ王子・・・」
「まぁ!ダリア!抜け駆けはダメよ!!」
「ねぇ誰のために何を探してらっしゃるの?」
「誰のために・・ですって?デイジーたら・・・バカおっしゃいな!」
「何が馬鹿なのよローズ?」
「デイジー?誰のためにじゃないわ。この王子は自分のためによ」
「あら、おなかが空いてらっしゃるのはマクトウィスプなの?」
「デイジー!アンタって単純ね!」
「やめてよパンジー!」
「自分じゃなくて、待っているお方に食べさせるために必死になってらっしゃるのよ」
「でもそれでは『その方のために』・・・ではないの?」
「違うわ、彼女をカゴで運べば食料の調達なんていらなかったのに、彼は彼の欲のために・・・」
「あ~、そういうこと」
くすくすくす・・・・花たちがマクトウィスプの頭上で笑い出した。
私達には目もくれないくせに・・・・くすくすくす
・・・それからどうなさるおつもりかしらぁ・・・
・・・まぁはしたない・・・決まってるじゃありませんの?・・・くすくすくす
「「「彼女にやさしいフリをして抱き込んで、くすくすくす・・・・その後は自分の立場のためにあの女王に!!!」」」
声高に叫ぶ花たちの息はぴったりで、深い黒い森にその声だけが盛りに響いた。
「黙れっ!!!!!」
きゃ~~~きゃはははははは!!
マクトウィスプは怒鳴るだけ怒鳴って、笑い狂う花の森から駆け出した。
はぁはぁはぁはぁ・・・暗い森の木の幹に、手をついてうなだれながら呼吸を整えた。
花たちの香りがまとわりついて、まだくらくらする身体を必死に立て直した。
違う違う!俺は!!
俺は違う!!
「ん?何が違うのさ。野営の予定を覆して家に引き込んだと思えば、・・・銀縁メガネのトカゲ野郎の口車にのってさ、勝手に大きさを変えやがった娘を、なにもとの大きさにしてやってんだよ」
うつむく暗闇に現れた靴の持ち主をマクトウィスプ(堂上)はわかっていた。
「なんの用だ・・・イカレ帽子屋・マッドハンター(小牧)」
「つれない呼び方するなよ、スペードの王子」
「うるさい!俺はもう王子じゃない!」
「なんであの子をもとの大きさにもどしたの?あのままカゴごと運べば、全て順調だったんじゃない?
本当につめが甘いよ。王子さま。それがお前のいてった覚悟ってやつなの?」
「ちゃんと最後には仕事をやり遂げる!言っただろ!迷いはないんだ・・・!」
「無理しちゃって・・・ほら、これ」
「・・・・」
「睨むなよ。もう何も仕込んでないさ。なんなら俺、食べて見せようか?」
「お前が作った毒はお前には効かないんじゃなかったのか?」
「効かないよ、でも恐ろしくまずく感じるんだ」
試す?と微笑む男の手から、サンドイッチが入ったバスケットを奪い取った。
そのまま背を向けて歩き出す。
マッドハンターは薄笑いのままウサギ男に話しかけた。
「ねぇ、花たちが知ってるって事はさ、トカゲ男がすでに手を回してるって事だよ?」
「あぁ」足を止めて、わかりきったことを言うなと睨みつけた。
「ふふふわかっていても、こっちも色々と心配なんだよ。お前、いつもと全然違うって気がついてるんだろ?」
ウサギ男は睨むのをやめて再び歩きだした。
遠ざかっていく後姿に帽子屋はそっと呟いた。
「全く、ややこしい男だネェ・・・」
「本当・・・クローバーのジャック様もいつもとは違いますのね」
「おや我が君?起きていたのかい?」
マッドハンターの肩にはねずみの姿の彼女がちょこんと座っている。
「えぇ、先ほどからずっと。美味しそうなピクルスの香りに目が覚めました」
「ははは、いいだろ、戻って僕等もアフターヌーンティーといこうか」
彼女は微笑むその彼の頬へ、そっとキスをした。
「ん?僕は大丈夫だよ?なんていっても君がそばにいる・・・。そうだろ?」
「・・・はい」
そして二人も森の暗闇に消えていった。
不思議の国の笠原 (6 最終話 )に続く
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