javascript:void(0); 忍者ブログ

春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

SS 不思議の国の笠原  (4)

ドリームシチュエーションSSです

ララのドリームシチュエーションで見事グランプリをとって表紙となった
「不思議の国のアリス」をみて、思わずできちゃったSSです。
本編とは無関係ですし、本作は私が表紙をみて、妄想はじけちゃった産物です。
それでもよいという方は、どうぞお付き合いくださいませ。

一日おきの0時更新です。

一部修正しました(2016/07/04)


☆不思議の国の笠原  (4)☆ からどうぞ。

拍手[23回]

☆☆☆

不思議の国の笠原  (4)

郁ちゃんは記憶が書き換えられてます。自分の事はメアリー・アン
それと、ウサギの耳が生えた堂上教官にそっくりなウサギ男の名前はマクトウィスプです。
チシャ猫は柴崎の姿です。






「メアリー・アン?」

振り返るとそこにマクトウィスプが立っていた。
「ほら」と差し出されたのは「バターつきハチミツトースト」の蝶。

それと大きな鈴蘭の花のなかにはジュースが入っている。

「いいから喰え」

食べてみるとそれはとても美味しかった。
どんな味か?
それは後では言いあらわせられなかった。でもそんなことも不思議とは感じなくなている、
そんな自分の変化にも気がつかなかった。
そして美味しそうに食べる彼女の姿を、そっと大事なものをしまうように見つめている男の存在にも・・・。



ふたたび歩き出した二人は森を抜けて可愛い小さな家にたどり着いた。

月明かりに映るマクトウィスプの姿が昼間よりも小さく・・・よりウサギっぽい形になっている。

「どうした、入れよ」

きぃとかわいらしい木戸をあけて、中にはいれと呼んでいる。

「うん」

入ろうとして頭をおもいっきり縁にぶつけた。

「いたた!」

「なにしてんだよ」

「だってこのドア、小さい」

「お前・・・」

「え?」

いつの間にかに背が伸びている。
マクトウィスプも多少縮んだが、それよりもメアリー・アンが伸びたのだ。

すこし屈んで家に入った。

「ほら、そのベッドを使え」

でもベッドの中で彼女の頭と足がつっかえる。

窮屈じゃないか?ほら、寝ろ。

己の身の恥ずかしさに頭からなんとか布団をかぶっているその頭をやさしく叩いてくれた。
しばらくは側にいる気配して

やがて・・・そっと部屋を出て行くのがわかった。



うぐっひっく・・・・。
彼よりもでかい・・・かわいらしくもない・・なのにこんなリボンなんて・・・。
一人になった寝室に、押さえ切れなかった鳴き声がもれて響く。


・・・・なに泣いてるんですか?

その声にそっと布団からうかがうと、そこには小さい男が立っていた。
きちんと三つ揃えのスーツを着たトカゲのようなその男が話を勝手に続けている。

「もしかして自分の身体がデカくなったとか、そんな単純なことで泣いてるの?」

ふふんと鼻で笑うところが憎く映った。
トカゲめがけて、ぶんっと枕を投げつけるがひらりとかわされる。

「ほんとに単純・・・」

クスリと笑いながら、下がりかけた銀縁のメガネを細い指で戻している。

「うるさい!消えろ!」

「これはこれは、口の悪いメアリー・アンだね?」

「あんただれ?と、トカゲ?」

「私?私のことはこの際はどうでもいい。それよりこんなことも知らない君の方が問題」

「こんなことってなによっ?」

まぁまぁとなだめながら話を続けた。

「この世界も・・・まぁあっちの世界も?ああいう気持ちを共有できるもの同士の間では、
大きさなんて問題じゃないんですよ」

「ああいう気持ち?」

「ほら、君のなかでさっきから悲鳴を上げてる、その気持ち」

「え?」

「またまた。気がついてないフリかい?」

そうじゃない。そうじゃなくて・・・。

「まぁいいでしょ。この世界ではね、元の世界よりももっと大きさなんていい加減なもんでね。
君のその目の前にあるテーブル。そこに瓶が二つある。
片方が大きくなるクッキー。もう片方が小さくなるクッキー。試してごらん?」

テーブルまで駆け寄ってみると、全く同じ瓶が二つ。確かに中にクッキーが入っている。

それだけ言うとひらりと窓のほうへ行こうとする。
あわてて声をかけた。

「まって!どっちがどっちなの?これじゃわからないわ!」

「ん?どっちか食べればどっちかになる。希望じゃないほうになったら反対のほうを倍食べればいい」

「え?いい加減な!」

「いっただろ?いい加減だって、先ほどもね。君のような感覚派にはあっちの世界より住みやすい世界なんじゃないのかな?」

ニンマリと笑いながらそれだけ言うとトカゲ男は窓から帰っていった。


二つの瓶からクッキーを一個づつ出してみる。
確実にベッドに入った時よりも身体が大きくなってるのがわかる。

よし!女は度胸!

右手のクッキーをかしっと噛み砕いた。

・・・あ、いけね一気に喰っちゃった。

ずご・・・

ずごごごごごごごごごごごごごごご!!

「あわわわわわぁ!!!」

急激に身体が膨らんだ。お尻に鈍い痛みを感じたと思ったら、
今度は頭を天井が押さえつける。

「痛い!痛い!痛い!!」

ばりっと言う音がして、頭が夜空に飛び出た。
夜風が気持ちがいいとか言ってる場合じゃないって事だけはわかった。

森をはるかに下に見て、メアリー・アンは服のように家を着て、家があったはずの敷地にどっかりと座っている。

庭の木戸を押し倒した右足に、少し痛みを感じた。
見るとウサギ男か膝の上で跳ねている。

なんか言っているが聞こえない。屈もうにも家の壁が鎧のように身体を固めてるので動けない。

ウサギ男はため息をつくと、どんどんと頭に向かってやってくる。

「お前、誰に何言われて何したぁ!?あー出来るだけ小さな声でしゃべれ!!」

叫ぶウサギに極力小さな声で話しかけた。

「クッキー・・・・小さくなりたくて」

それを聞いたウサギ男は、ため息をつくとひらりと庭に飛び降りて家の裏の方へ走っていった。
戻ってきたその手にはたくさんの人参を抱えていえる。

「喰え!小さくなる!!」

泥がついたままだったが、とにかく開いた口にポンポン投げ込まれた。

ずずずずずずずず!!!!!

「しまった、効き過ぎたか」ウサギ男はあわてて家の中に飛び込んだ。

家の床の上に月明かりを受けてぽっちりと青い花が一輪落ちている。

危うく踏みそうになった青い小さい花を、マクトウィスプ(堂上)はつまみ上げた。
そっと手に乗せる。

メアリー・アン(笠原)だ。

「なんだ、また泣いてるのか?」

手のひらの上の小さくなった頭を、マクトウィスプは人差し指でそおっとなで続けた。

気がつくと手のひらの中で眠り始めている。
マクトウィスプは散らかった家の中を見渡して、適当なカゴにタオルを敷いて、そっとメアリー・アンを寝かせた。

出窓がベンチになっているところに、クッションを整えてすわった。
膝の上にカゴを乗せたまま指で頬をやさしくなでる。
月明かりにさらに青く光るその青いリボンが彼女の顔色をさらに白くさせていて、胸が痛んだ。

何で胸が痛むのか、もう彼は知っている。

「メアリー・・・アン・・・なぜお前なんだ・・・」





不思議の国の笠原  (5)に続く
PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

リンク

カレンダー

03 2026/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

カウンター

それなりに

旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
HN:
まるちゃ
性別:
女性
趣味:
なにかつくること

フリーエリア

最新コメント

[08/01 ママ]

最新トラックバック

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

Copyright ©  -- 春風駘蕩 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]