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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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SS館内案内 後編

ども♪まるちゃでし。

今回は前編の堂上目線。
同じ朝の・・・特殊部隊の事務所から始まります。

オリキャラ・捏造てんこ盛りです。

よろしければ☆ 後編 ☆からどうぞ。

甘くないよ~。

拍手[66回]

☆☆☆SS館内案内 後編


「よお堂上~~!いよいよ今日からか~?!張り切り過ぎるなよ~!」
「おぉ~~~!永遠の乙女と直接対決か!頑張れよ~!」
「あれ化粧っけないけどなかなか別嬪じゃねぇか?」
「そんな目で見なくても、箝口令だろ?ばっちりだから心配すんな!」
「なぁ・・・・やっぱり最初に名乗っちゃえよ~~~~!」
「君を守ったのは俺だ!ってか?」
どっと沸きあがる笑い声。
「まぁ今のお前を敵に回そうって奴はいないから、安心しろ!」
一人の先輩にぽんと肩を叩かれる。

特殊部隊の事務所では、誰も彼も彼に一声かけなければ始まらない!といった感じに湧き上がっていた。
一方的にそれらを浴びた堂上篤は、これでもかというぐらいに眉間にシワを寄せたまま、荒々しく特殊部隊の事務所を後にした。
その横を、親友でもあり、同じく練成教官を勤める小牧が歩く。
じろりと見つめあげると、満面の笑みをたたえたままこちらを見つめている。

「・・・・・・・」
「ん?なに?どうしたの堂上?」
「・・・その笑顔やめろ。なんかお前の笑顔が一番こたえる!」
「え?なんで?俺たちを結びつけた運命の女神光臨を心底喜んでいるのに・・・」
「あれのどこが女神なんだ?!」
「女神でしょ?スラッと長い背をピンとしていてさ、真っ直ぐな瞳に長い手足。性格は素直で純真。身体能力は高いから・・・戦いの守り神アテネかな?
俺としてはアフロディーテの方が嬉しいけどね~!」
「おまっ」
そこまで言ってしまってから、堂上は慌てて口を閉じた。
・・・完全に遊ばれている。
「堂上。俺は凄い期待しているんだよ。多分先輩がたもね。
まぁあまり力を入れすぎないようにね!じゃあ俺の班は基地の方から案内だから、
また後で!」
「あぁ」
語尾にハートが付きそうな勢いで小牧が去っていった。

グランドに出ると、新隊員たちが並んでいる。
まずここからだなと腹から声を出して並びなおさせた。

他の女子より頭一つぐらい高い頭。
明るい髪がどうしても目に付く。

もぞもぞと落ち着きがなく、しまいには下を向いたので叱り飛ばした。

え?なんで?と驚きの顔で見返される。
しっかりと気持ちを決めて挑んでいるのに
どうしたことか、笠原から目が離せなくなる瞬間がある。

「わぁ~懐かしい!」
館内の喫茶ルームのショーウィンドウに屈んで覗きこんだ笠原の笑顔が、ショーウィンドウの壁が鏡なので、惜しげもなく写ってみえる。

君はそんな笑顔を作るのか。
嬉しそうに動く瞳、すぐに染まった頬。
あれから何回となく想像してしまった笑顔と・・・・同じなのかどうだったかも判らなくなった。

君はそんな笑顔で・・・

「・・・二正?堂上二正?」
名前を呼ばれていることに、一瞬遅れた。
くるりとこちらを向いて敬礼する君に笑顔はない。

そうだそれでいい。
俺には微笑むな。

いいか

俺には微笑むな。






「なんか消耗してない?」
1日が終わった事務所で、小牧が声をかけてきた。

「あ?・・・まだ二日目だからな。上手くペースが掴めなくて疲れるのはお互い様じゃないのか?」
書いている書類から目を離さずに答えた。

「ふふっそういう事にしておいてあげるよ。でどうだった?彼女は・・・。」

「彼女ってだれの事だ。」

「あ。そういうスタンスでいくんだ。」
「いくもなにもないだろ。普通の話だ。」
「笠原郁の事だよ。俺たちの女神。」

「・・・・その言い方やめろ。なんか頭にくる。」
「『俺たち』に?それとも『女神』に?」

そんなのどちらもこだわってなんかいない。
俺たちだと?
違う彼女は俺の・・・違う!ダメだ!違う!!

「うるさい!どっちでもいいだろ!!ほっとけよっ!!さっさと報告書をあげたいんだ!」

自分から湧いた気持ちも一緒に、小牧も殴り倒してやりたい衝動が止まらない。
失せろ!失せろ!失せろ!!

そんな堂上をみて、小牧は嬉しそうに微笑んだ。

「おわ~~~かなりきてるね。大丈夫?まだ・・・始まったばかりだよ。」

小牧の微笑みがさらに堂上を煽った。

「うるさい!黙れ!!」

勢い良く立った為に、堂上が座っていた椅子が大きな音を立てて床に倒れた。
―――ガシャン!!  事務所に響き渡った。
小牧の胸座をつかんだ堂上を、事務所にいる隊員たちも注目した。


「堂上も小牧もその辺でやめとけ・・・。堂上、ちょっとこい。」
「はい」
椅子を直してから副隊長である緒形にしたがって堂上は廊下にとでた。
それでも俺は謝らないよという笑顔で見つめてくる小牧を睨みつけたが、
あいつにはこんなの効かないこともわかっている。

緒形はそのまま階段横の自販機にまでくると、チャラチャラとポケットから小銭を出した。
ブラックコーヒーのボタンを二回押し、出てきたうちの一本を堂上に渡した。

「ありがとうございます。」
緒形は軽く手をあげると、窓辺に軽く腰掛けた。
「お前らしいというか・・・・お前らしくなというか・・・・。」
両手の手のひらで缶コーヒーを持て余しながら、堂上は立ち尽くしていた。
「どうした、飲めよ・・・ほら」
視線だけで立ち尽くしたひよっこをスツールに促した。
「はい。」

堂上は廊下のスツールに腰掛けて、缶コーヒーをあけた。

「どうだ。今年の新隊員は・・・。」
「まだなんとも言えません。」
「言いたくない・・・とは違うのか?」
その言葉に堂上の顔が上がる。
「箝口令までしたんだ。生半可な気持ちではないことぐらい、俺たちはわかっているつもりだ。でも忘れるなよ。お前は『教育隊』の教官なんだぞ。することは『選別』でも『区別』でもないはずだ。お前は教官なんだ。・・・・そんなことは言われなくてもわかっているっていう顔してるな?
どんな状況でも、誰が相手でも、お前なら冷静にできると俺たちは判断したから・・・堂上、お前に任せたんだ。」

堂上は缶コーヒーを飲み干すと立ち上がってゴミ箱に缶を捨てた。
「ご馳走になりました。」
緒形に一礼をした。
「あぁ。しばらくからかいは止まらないだろうが、皆心配しているんだよ。その気持ちには気付いてやれ。」

それだけ言うと、緒形も飲み終わった缶を捨てた。
じっと立ち尽くしている堂上の肩を叩いてから、先に緒形は事務所へと戻っていった。

廊下が夕日にそまる。
廊下をオレンジ色に染める。
未だに忘れられないあの日を思い出す色だ。

オレンジ色の中・・・少女は泣きながらイスに座っていた。

なぁ・・・なぜ追ってきた。

なぜ俺なんかを追ってきたんだ。

あの日の三正なんか・・・居ないのに・・どこにも。
目を閉じると、先ほどの鏡ごしの笑顔が蘇る。

どうして

俺はそれを嬉しいとか思うんだ。

オレンジ色が蛍光灯によって褪せた。

堂上は残っている書類を思いだし、事務所へと足を向けた。




                        END

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旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
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