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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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白い明日

ども!予約まるちゃでし!

今回のはオリキャラ的なおにいちゃんズが登場です。

ここまで捏造すれば、オリキャラだろう!(笑)

ってぐらいの捏造っぷりですので、ご注意を。

またしても春風駘蕩名物(笑)入隊前です。

むりやりバレンタイン前と言う設定です。。。

ではさくさくと☆ 白い明日 ☆よりどうぞ。

拍手[68回]

☆☆☆


白い明日     ~入寮~

郁 大学卒業目前。

郁の兄貴たち・・・名前がついています。

中兄ぃ(薫)ちぃにい(千尋)
だっぷりと捏造してます!

:::::


はぁはぁはぁっ!!

急いでアパートの階段を駆け上がった。

『まずい~もうすぐちぃ兄ちゃんがかえってきちゃう!』

鍵をドアノブに差し込んで、荒々しくまわした。

だっと部屋に駆け込み、鏡台代わりの小さな整理箪笥の前にちょこんと座る。
カバンの中から、そっと小さな包みをだして、それを整理箪笥のいちばん下の引き出しにしまう。
その引き出しには一冊の本だけが入っている。
4年ほど前に王子様に助けてもらったときの本だ。
その上にそっとチョコレートの包みをのせて・・・そっと閉めた。

着ていたコートをハンガーにかけ、手を洗いに洗面所のある玄関のほうへ向かったところで、ガチャリとアパートのドアが開かれた。


「いく!!ちゃんと鍵を閉めろっていってんだろ?危ないだろうが!」
「うわぁ!ちぃにいちゃんお帰り!」
狭いアパートの玄関先で、隠れる暇も場所も無い。
なにを驚いてんだよと言う顔をされたが、それよりも「ドアを閉めたら鍵を閉める」と言う同居時の約束を守らなかった事に彼女の兄の意識は向いた。



妹は高校を出てスポーツ推薦で大学に入学と同時に、運動部の寮へ入ったこの妹は、自分を守るという意識が低い。
女ばかりの寮で、特に治安が悪いわけではなかったので、部屋に鍵を掛けるという習慣が無かったらしい。
監督の推薦を断って実業団入りをしなかったことが、この妹にとっては「居てもいいといわれてもけじめがつかない」と感じたらしく、卒業を待たずに俺の部屋に転がり込んできた。

俺には、上にむさい兄貴が2人居る。大兄ちゃんは水戸の建設関係の会社に勤めている。
中兄ちゃんは教員。昨年結婚したが、受けもつクラスの子供達に色々と質問攻めにされ、「いまどきの小学生は郁よりも大人びたことをいうので驚く」と言っていた。
で、俺は郁の一歳年上。今は都内で勤めている。上の2人が実家に近いのだから、俺ぐらいは都内で暮らしてもいいだろう。三男なんてそんなもんだ。

「郁!手紙きてるぞ。関東図書隊総務部・・福利厚生管理課・・・だってよ」
そう告げると我が家の一番下のお姫様が弾丸のごとく洗面所から飛び出してきた。

「わ~!きた!やっときた!」とはしゃぐ妹・・・・・そうか、そろそろか。

「えっと、入寮事前講習?へぇ~~~。安全危機管理調査票??
ねぇ、緊急連絡先ってここでいいのかな?」
「おまえ。そういうのは普通は実家だろう!」
「ううう。。。」
「安全危機管理かぁ・・・・図書隊員ってなんか・・・ものものしいな。郁?」

・・・関東で一番大きい図書館だし、基地が一緒だからじゃない?と説明しながら、妹の後姿がぐっと縮こまる。

・・・こいつの嘘をつくときの癖だ。

俺はこいつを止めるべきなのかな。
年が近いので、双子のようだといわれながら育った妹は、嘘も隠し事が下手だ。
その妹が今、必死になって俺達に隠していることがある。
走ることが好きで、そのことしか頭に無かった妹が、急に図書館司書の資格を取ると言い出してから数年がたった。

それまでは将来のことも「う~~ん実業団?働きながら走る場所があるなら、それもいいかな~~」なんていって「陸上で推薦取れた!ラッキー!」とはしゃいでいた妹が、その先も、走れる場所のある実業団への道が開けているにもかかわらず、それには目もくれなかった。
それより、在学中にはすったもんだしながら苦手な英語も単位を落とさずにとり・・・・司書の資格も取ってしまったことに俺達は驚いた。

本が好きなことは知っていた。

よく大にいちゃんと地域で一番でかい図書館へバスで一緒に行った。
郁は本目当て、俺は購買のアイスがめあてだった。

本が好きだったことは知っている、しかしコイツが大人しく座って司書をやるのか?と普通に疑問がわいた。

まさか・・・防衛員か?

俺は・・・・俺達はそう悩んでもう数ヶ月がたった。
そして、こちらの気持ちとは裏腹に、郁は図書隊の筆記や面接を見事にクリアしていった。





「いく♪いくいく♪イクラちゃ~~ん!」
「う~~~イクラじゃないもん!いくだもん!」
「おまえは一番チビだから、イクラちゃんだ!バブバブぅ~~~!!」
「ちがうもん!いくだもん!ちぃにいちゃんらんかきらいらもん!!」

小さい頃の郁は、そう叫んだとたんに、うわぁ~~~!!と見事なまでに赤く染まりながら、大きな口をあけて泣き出し、
それが面白くて俺はよくからかった。

そして、その後にはあとはお決まりの、ごいんという鈍い音と痛みが俺の後頭部にくる・・・。

「こら!!千尋!お前だってチビだろうが!」と上の兄貴の鉄拳がふってきて
「そうだよ!郁がイクラちゃんならお前はタラちゃんだな!」と真ん中の兄貴が続く。

ほら、郁、泣き止め、と大兄ちゃんが軽々と郁を抱き上げる。
まだ小1と幼稚園の俺らにとって、小学校高学年の兄貴たちは大きかった。




「おい!タバコ買いに行ってくるからな、鍵をちゃんとしめとけよ。」

はぁいというしまりのない郁の返事を背に、携帯と財布をつかんで俺はアパートを後にした。

アパートが見えなくなったところで携帯を出す。

「なぁ・・・・大にいちゃん。ちょっと話があんだけど。今いい?」

『・・・あぁ・・・郁のことか?』

「なぁ、俺、どうしたらいい?このまま送り出していいのかな?」

『まだ郁が防衛方と決まったわけじゃないんだろ?
兄ちゃんな、同級生に水戸の図書基地勤務のやつが居てな。そいつに聞いたら防衛員でも女子は殆んど銃器は持たないんだそうだ。』

「まさか受かるとはな~~。全く、良くも悪くも予想を上回るやつだよな。」



『そうだ、それだけ・・・俺達の予想を上回るほどアイツはがんばったんだ。
だから俺達は今は・・・何も言うべきじゃないだろう。』

「あぁ。。」

『まぁ・・・直接送り出すのはお前だもんな。
・・・・・もう入寮日は決まったのか?』

「さっき、通知が来たらしい。すげぇ喜んでた。」

『俺達から就職祝い、薫がネットでいいの見付けたっていうから、それで任せていいか?』

「あぁ。中にいちゃんには後でメールしとくよ・・・・。」

『千尋?』

「なに?」

『お前、大丈夫か?』

「え?大丈夫だよ・・はは・・・なんだよ大丈夫かってさ。
・・・・まぁ・・・当日は駅まで送るつもりだけどね。
一人で行くって聞かないからさ。」

『はは、そりゃ嫌がるだろうな。。』

「ダンボール抱えて電車で行くって聞かないんだよ。」

『ぶっ!あれだろ?カートをコロコロと転がすのが苦手なんだろ?
遠征のときに自分でひいているカートに足を引っ掛けて転んだ事があるもんな~~。』


「あぁ。そのあとに陸上雑誌におでこをすりむいたままの写真が載っちゃってな。むくれてたっけな。」



『じゃあ、千尋。郁を送ったら一応オヤジには連絡いれといてくれよ。』

「わかった。じゃぁ・・・・・」


タバコの煙の変わりに、重い息を吐くと、煙よりも白く夜に写った。


あともう少しで、俺たちのお姫は旅立っていく。




   なぁ、郁。お前・・・どこへ向かって走っていくんだ?


                            終わり
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旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
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