春風駘蕩
図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着
SSクリスマスの夜に 前編
- 2010/12/24 (Fri)
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ども!メリークリスマス!まるちゃです。
なんとかひねり出したものの・・・やっぱり上官部下も恋人も夫婦のも、
思いつかなくて、またしても「郁、入隊前」です(笑)
それもまだ女子高生よ!
郁の高校3年生のクリスマス。
そして堂上さんは、10月末から始まったと思われる査問が終わる頃・・・
と勘違いして書きましたが、堂上さんの査問は意外と長かった!
だから査問中のクリスマスです。
毎年、大学時代からの独身男が集まって、楽しくやっていたんだろうなと。
今年はそれができないので、一人で寮をあとにします。
堂上部分と郁の部分が交互に交差します。
少し長くなりましたので、24日・25日の連続投稿でいきます。
わぁ~~っと書いたので、切りどころが上手くなくて・・・
だから投稿の間は数時間だけにします。
25日のほうにイラストをつける予定です。
イラストもあわせて作ったの初めてかも~~~(笑)
よろしければ☆ クリスマスの夜に ☆からどうぞ。
なんとかひねり出したものの・・・やっぱり上官部下も恋人も夫婦のも、
思いつかなくて、またしても「郁、入隊前」です(笑)
それもまだ女子高生よ!
郁の高校3年生のクリスマス。
そして堂上さんは、10月末から始まったと思われる査問が終わる頃・・・
と勘違いして書きましたが、堂上さんの査問は意外と長かった!
だから査問中のクリスマスです。
毎年、大学時代からの独身男が集まって、楽しくやっていたんだろうなと。
今年はそれができないので、一人で寮をあとにします。
堂上部分と郁の部分が交互に交差します。
少し長くなりましたので、24日・25日の連続投稿でいきます。
わぁ~~っと書いたので、切りどころが上手くなくて・・・
だから投稿の間は数時間だけにします。
25日のほうにイラストをつける予定です。
イラストもあわせて作ったの初めてかも~~~(笑)
よろしければ☆ クリスマスの夜に ☆からどうぞ。
☆☆☆
SS クリスマスの夜に
クリスマスの夜。
郁、入隊前 高校3年生
堂上の見計らいの査問中。
きらめく街の中を一人歩く堂上の気持ちは重く沈んだままだった。
たまたま目に付いた店頭で売っているチキンやケーキを買い、酒屋にも寄って適当に酒を選んだ。
それらの支払いは安っぽい絵柄の封筒から出される。
リサイクルショップの封筒だ。
堂上は先ほど数ヶ月前に予約していた限定のジュエリーを宝飾店で受け取り、その足でリサイクルショップを訪れた。
それが欲しいと自分にねだり、それを受け取るはずだった女性とは、とっくに終わっていた。
彼女に未練があって、こんな差し迫った日まで予約品を受け取りに行かなかったのではない。
ただ本当に注文したのを忘れていて、店からの確認の電話でやっと受け取りにきたのだ。
しかし、買ったばかりのジュエリーを右から左へと動かしただけでこうも金額が変わるものかと、ただばかばかしさが積み重なっただけだった。
商店街のイルミネーションの中を実家へと足を急がせた。
********
郁は自分の部屋で飾り付けたツリーを眺めていると一番下の兄・千尋がやってきた。
「お前はクリスマスツリーが好きだよな~。どんだけ見てんだよ。ほら、叔母さんきたぞ。こいよ」
「はぁい・・・ちぃにい。今行く~!」
とたとたと階段をおりると、叔母はちょうど玄関でコートを脱いでいるところだった。
「おばさんいらっしゃい」
「あら郁ちゃん!久しぶり!大学決まったんだってね~お祝いもってきたわよ」
「わぁ、すいません。ありがとうございます」
そういいながらも、少しずつ心は臨戦態勢に入る。
叔母を居間に通し、母親を呼びにいく体でそこから逃れる。
「おかあさん。叔母さん居間にお通ししたからっ!」
「あ!郁!待ちなさい!・・・もう、お茶ぐらい持っていってよね」
母親の声を背に、郁はかまわず階段を駆け上がった。
部屋についてまた窓際のツリーのところに腰掛ける。
点滅するライトに照らされる、小さなオーナメントの家を見ているのが好きだ。
しばらくするとドアをノックされた。
「いくちゃん?おばちゃんだけど、今ちょっといい?」
「あ、はい、どうぞ」
本当はよくは無い。何のために来たのか判っているからだ。
「わぁ、やっぱり可愛いわね。女の子のお部屋は」
「そんなことないよ」
「そんなことあるわよ。ほら、お祝い」
「あ、ありがとうおばちゃん」
郁は受け取るとくるりと背を向ける。
「ねぇいくちゃん。やっぱりおかあさん寂しそうね?」
「・・・・」
「ねぇ陸上って郁ちゃんなら・・・こっちの家から通える大学でも良かったんじゃない?」
「・・・・」
「ねぇ。体育部の寮って厳しいし・・・結構汚いって聞くわよ?」
「・・・・」
「おばちゃんのお友達のお子さんがね、やっぱりスポーツ推薦で入ったけど・・・怪我もつきもんだし」
「・・・」
「ねぇ?いくちゃん?今からでも地元の短大に切り替えたら?」
「おばちゃん!推薦もらうのだって、大変だったの。色んな人にお願いして、先生もたくさんがんばってくれて、ここで変えたらのちのち先生や後輩も困るの。もう決めたの。私だけのことで変えられないし、
そのことはお母さんだってわかってるよ」
「うんうん。そうよね。そうだった。ごめんね~~。あまりにもあなたのお母さんがかわいそうで」
「かわいそう?」
「そうよ、郁ちゃんを東京にだなんて・・・とても寂しがってるし、それはわかってあげてね」
「・・・はい」
「ねぇ、それならせめて・・・東京へ行くのは4月の入学式の直前でいいんじゃない?」
「それはっ大学の寮で入学前に色々と新入生に向けて用意してくれてるの。
それに春休み中から陸部の監督が練習に加わっていいって・・・すごく楽しみにしてるし・・・だからそれには出たいの。もう引越しの日もそれにあわせて準備してるの!」
「あら・・・じゃぁ本当に3月に引越し・・・」
「おばさんごめんなさい!もう友達と逢う約束の時間だから行くね!
お祝いありがとう!」
そういうとコートを掴んで叔母を部屋に残したまま階段を駆け下りた。
本当は約束なんて無い。
こんな気持ちになったとき、郁には立ち寄る場所ができていた。
[newpage]
ガラスの自動ドアが開くと同時に、安っぽいチャイムがティント~ンと鳴る。
そこはあの書店。
「あ!店長さんこんにちわ!」
「あぁ笠原さん。もう学校は冬休みかな?」
「今日が終業式だったの」
「そうかい」
「ねぇ店長さん。あの図書隊員さんの名前とかわかりましたか?」
「ん~~?もう図書館との見計らいの作業も手続きも終わっちゃったし。
すまないね。おじさんも初めてのことだから手間取ってね、彼の名前とか所属とか聞けなかったんだよ。
あの隊員さんからも一度も連絡さえも来ないしね。悪いねぇ」
「そうですか・・・」
明らかに落ち込む郁に対して、店長はすまない気持ちが積もる。
店長も店のお得意さんで仲のいい図書隊の人に、それとなくあの隊員のことを尋ねていた。
聞いた話だと、あの若い隊員は研修も切り上げられて関東図書基地に呼び戻されて査問などの処罰を受けているらしい。
色々とあるのだろうから、どうかその女子高生には心配させるようなことは教えないでやって、とその図書隊員にも言われている。
それに、実はあの隊員から一度だけ電話があった。
最後に「私のことは何も伝えないで頂きたい」と言うその声に、彼の真剣な眼差しを思い起こさせた。
だから店長は所属も名前も知ってはいたが、それを伝えることはしないでおこうと決めていた。
しかし、こうして落ち込む少女を目の前にすると・・・少しだけ店長は口が緩んでしまった。
「コホン・・・そういえば、関東図書基地って言うのは大きいんだってね。水戸よりもうんと大きい基地だそうだね。一番情報が集まるのもそこかなぁ・・・・」
「それ本当?店長さん!」
「まぁそこにあの人がいるとは限らないよ?配属が変わることもあるらしいし」
「私、春から・・・卒業したら東京の大学に行くんです。だから・・・もしかしたら・・」
「東京・・・広いよ?」
「そうですよね。でもでもでもっ。ありがとう店長さん!」
きゃーといいながらその場で軽くジャンプをしながら、店長の手をにぎって離さない。
そんな郁に、店長もこれぐらいはいいかと感じていた。
まさか、本当に彼女が入隊してまでも逢いに行こうとするとは考えもしなかった。
「こんちわ~店長さんいる?」
「あぁ、ここですよ文さん」
文さんはこの書店の常連さんであり、店長とは昔なじみのおばあちゃんがやってきて、
そこに郁もいるのを見つけると嬉しそうに駆け寄った。
「あら~笠原さん!よかったわ今日あえて!これ、どう?私こういうの特意なの。良かったらもらって?」
文さんが小さいトートから小さい袋を差し出した。
かわいらしいジンジャークッキーが一枚。
その人形をかたどったクッキーは、ちょっとおどけた笑顔で胸に本を開いて持っているようにマジパンで描かれていた。
「わぁかわいい!これ、もらっていいんですか?」
「いいのよ~。毎年ね何個かお友達のお店に作ってあげてるの。今年は笠原さんにあげられるかなって思ってね。どうかしら?」
「すっごく可愛いです」
「クリスマスまでかざっていても平気だからね」
郁は二人にありがとうと言うと書店を後にした。
先ほどの重い気持ちはどこかへいってしまった。
東京。そうだ!東京だ!!
郁はその胸に思いっきり冬の空気を吸い込んだ。
「おい!笠原!かさはら~~!」
その声に振り返ると、同じクラスの大河原がいた。
特別仲がいいというわけではなかったが、中学のときからの同級生の男子だ。
「おい!なぁ暇ならカラオケ行こうぜ!もう何人か集まってんだ。俺メールしようとしてたらさ、お前が居るのが見えてさ、ちょうど良かったよ。どう?カラオケ」
慌てて郁に駆け寄ってきた大河原君は、息も整わないまましゃべる続けた。
この人、こんなにしゃべる人だったけ?と思っているうちにも話が進む
「お前推薦決まってんじゃん。今日ぐらいさ俺たちの息抜きに付き合えよ。なぁ、そうだ仲のいい女子を呼んでもいいし」
「あ~ごめん。これから家に帰るところだし」
「でも暇なんだろ?」
「いや、叔母さんが逢いに来ちゃってるから、このまま遊びに行くわけにもいかないの。ゴメンね。じゃあ」
郁はそのまま家まで走っていった。
その後ろ姿にもう言葉は出ない。
出るのはため息だ。
アイツ・・・やっぱり俺の気持ちとか気付いてないよな。東京に行くまであと数ヶ月。
やっぱり無理っぽいか。
本当は何人かなんて集まっていない。
できれば二人で、なんて思っていたところに姿を見つけて思わず呼び止めてしまった。
もう一度ため息をこぼして、ポケットから携帯を出した。
「おーオレオレ。なぁ今からカラオケしない?え?女の子?いるわけネェだろ~~お前連れてこいよ。
今店のまえだからさ、部屋とっとくし!」
~後編に続きます~
改訂2016/12/24
SS クリスマスの夜に
クリスマスの夜。
郁、入隊前 高校3年生
堂上の見計らいの査問中。
きらめく街の中を一人歩く堂上の気持ちは重く沈んだままだった。
たまたま目に付いた店頭で売っているチキンやケーキを買い、酒屋にも寄って適当に酒を選んだ。
それらの支払いは安っぽい絵柄の封筒から出される。
リサイクルショップの封筒だ。
堂上は先ほど数ヶ月前に予約していた限定のジュエリーを宝飾店で受け取り、その足でリサイクルショップを訪れた。
それが欲しいと自分にねだり、それを受け取るはずだった女性とは、とっくに終わっていた。
彼女に未練があって、こんな差し迫った日まで予約品を受け取りに行かなかったのではない。
ただ本当に注文したのを忘れていて、店からの確認の電話でやっと受け取りにきたのだ。
しかし、買ったばかりのジュエリーを右から左へと動かしただけでこうも金額が変わるものかと、ただばかばかしさが積み重なっただけだった。
商店街のイルミネーションの中を実家へと足を急がせた。
********
郁は自分の部屋で飾り付けたツリーを眺めていると一番下の兄・千尋がやってきた。
「お前はクリスマスツリーが好きだよな~。どんだけ見てんだよ。ほら、叔母さんきたぞ。こいよ」
「はぁい・・・ちぃにい。今行く~!」
とたとたと階段をおりると、叔母はちょうど玄関でコートを脱いでいるところだった。
「おばさんいらっしゃい」
「あら郁ちゃん!久しぶり!大学決まったんだってね~お祝いもってきたわよ」
「わぁ、すいません。ありがとうございます」
そういいながらも、少しずつ心は臨戦態勢に入る。
叔母を居間に通し、母親を呼びにいく体でそこから逃れる。
「おかあさん。叔母さん居間にお通ししたからっ!」
「あ!郁!待ちなさい!・・・もう、お茶ぐらい持っていってよね」
母親の声を背に、郁はかまわず階段を駆け上がった。
部屋についてまた窓際のツリーのところに腰掛ける。
点滅するライトに照らされる、小さなオーナメントの家を見ているのが好きだ。
しばらくするとドアをノックされた。
「いくちゃん?おばちゃんだけど、今ちょっといい?」
「あ、はい、どうぞ」
本当はよくは無い。何のために来たのか判っているからだ。
「わぁ、やっぱり可愛いわね。女の子のお部屋は」
「そんなことないよ」
「そんなことあるわよ。ほら、お祝い」
「あ、ありがとうおばちゃん」
郁は受け取るとくるりと背を向ける。
「ねぇいくちゃん。やっぱりおかあさん寂しそうね?」
「・・・・」
「ねぇ陸上って郁ちゃんなら・・・こっちの家から通える大学でも良かったんじゃない?」
「・・・・」
「ねぇ。体育部の寮って厳しいし・・・結構汚いって聞くわよ?」
「・・・・」
「おばちゃんのお友達のお子さんがね、やっぱりスポーツ推薦で入ったけど・・・怪我もつきもんだし」
「・・・」
「ねぇ?いくちゃん?今からでも地元の短大に切り替えたら?」
「おばちゃん!推薦もらうのだって、大変だったの。色んな人にお願いして、先生もたくさんがんばってくれて、ここで変えたらのちのち先生や後輩も困るの。もう決めたの。私だけのことで変えられないし、
そのことはお母さんだってわかってるよ」
「うんうん。そうよね。そうだった。ごめんね~~。あまりにもあなたのお母さんがかわいそうで」
「かわいそう?」
「そうよ、郁ちゃんを東京にだなんて・・・とても寂しがってるし、それはわかってあげてね」
「・・・はい」
「ねぇ、それならせめて・・・東京へ行くのは4月の入学式の直前でいいんじゃない?」
「それはっ大学の寮で入学前に色々と新入生に向けて用意してくれてるの。
それに春休み中から陸部の監督が練習に加わっていいって・・・すごく楽しみにしてるし・・・だからそれには出たいの。もう引越しの日もそれにあわせて準備してるの!」
「あら・・・じゃぁ本当に3月に引越し・・・」
「おばさんごめんなさい!もう友達と逢う約束の時間だから行くね!
お祝いありがとう!」
そういうとコートを掴んで叔母を部屋に残したまま階段を駆け下りた。
本当は約束なんて無い。
こんな気持ちになったとき、郁には立ち寄る場所ができていた。
[newpage]
ガラスの自動ドアが開くと同時に、安っぽいチャイムがティント~ンと鳴る。
そこはあの書店。
「あ!店長さんこんにちわ!」
「あぁ笠原さん。もう学校は冬休みかな?」
「今日が終業式だったの」
「そうかい」
「ねぇ店長さん。あの図書隊員さんの名前とかわかりましたか?」
「ん~~?もう図書館との見計らいの作業も手続きも終わっちゃったし。
すまないね。おじさんも初めてのことだから手間取ってね、彼の名前とか所属とか聞けなかったんだよ。
あの隊員さんからも一度も連絡さえも来ないしね。悪いねぇ」
「そうですか・・・」
明らかに落ち込む郁に対して、店長はすまない気持ちが積もる。
店長も店のお得意さんで仲のいい図書隊の人に、それとなくあの隊員のことを尋ねていた。
聞いた話だと、あの若い隊員は研修も切り上げられて関東図書基地に呼び戻されて査問などの処罰を受けているらしい。
色々とあるのだろうから、どうかその女子高生には心配させるようなことは教えないでやって、とその図書隊員にも言われている。
それに、実はあの隊員から一度だけ電話があった。
最後に「私のことは何も伝えないで頂きたい」と言うその声に、彼の真剣な眼差しを思い起こさせた。
だから店長は所属も名前も知ってはいたが、それを伝えることはしないでおこうと決めていた。
しかし、こうして落ち込む少女を目の前にすると・・・少しだけ店長は口が緩んでしまった。
「コホン・・・そういえば、関東図書基地って言うのは大きいんだってね。水戸よりもうんと大きい基地だそうだね。一番情報が集まるのもそこかなぁ・・・・」
「それ本当?店長さん!」
「まぁそこにあの人がいるとは限らないよ?配属が変わることもあるらしいし」
「私、春から・・・卒業したら東京の大学に行くんです。だから・・・もしかしたら・・」
「東京・・・広いよ?」
「そうですよね。でもでもでもっ。ありがとう店長さん!」
きゃーといいながらその場で軽くジャンプをしながら、店長の手をにぎって離さない。
そんな郁に、店長もこれぐらいはいいかと感じていた。
まさか、本当に彼女が入隊してまでも逢いに行こうとするとは考えもしなかった。
「こんちわ~店長さんいる?」
「あぁ、ここですよ文さん」
文さんはこの書店の常連さんであり、店長とは昔なじみのおばあちゃんがやってきて、
そこに郁もいるのを見つけると嬉しそうに駆け寄った。
「あら~笠原さん!よかったわ今日あえて!これ、どう?私こういうの特意なの。良かったらもらって?」
文さんが小さいトートから小さい袋を差し出した。
かわいらしいジンジャークッキーが一枚。
その人形をかたどったクッキーは、ちょっとおどけた笑顔で胸に本を開いて持っているようにマジパンで描かれていた。
「わぁかわいい!これ、もらっていいんですか?」
「いいのよ~。毎年ね何個かお友達のお店に作ってあげてるの。今年は笠原さんにあげられるかなって思ってね。どうかしら?」
「すっごく可愛いです」
「クリスマスまでかざっていても平気だからね」
郁は二人にありがとうと言うと書店を後にした。
先ほどの重い気持ちはどこかへいってしまった。
東京。そうだ!東京だ!!
郁はその胸に思いっきり冬の空気を吸い込んだ。
「おい!笠原!かさはら~~!」
その声に振り返ると、同じクラスの大河原がいた。
特別仲がいいというわけではなかったが、中学のときからの同級生の男子だ。
「おい!なぁ暇ならカラオケ行こうぜ!もう何人か集まってんだ。俺メールしようとしてたらさ、お前が居るのが見えてさ、ちょうど良かったよ。どう?カラオケ」
慌てて郁に駆け寄ってきた大河原君は、息も整わないまましゃべる続けた。
この人、こんなにしゃべる人だったけ?と思っているうちにも話が進む
「お前推薦決まってんじゃん。今日ぐらいさ俺たちの息抜きに付き合えよ。なぁ、そうだ仲のいい女子を呼んでもいいし」
「あ~ごめん。これから家に帰るところだし」
「でも暇なんだろ?」
「いや、叔母さんが逢いに来ちゃってるから、このまま遊びに行くわけにもいかないの。ゴメンね。じゃあ」
郁はそのまま家まで走っていった。
その後ろ姿にもう言葉は出ない。
出るのはため息だ。
アイツ・・・やっぱり俺の気持ちとか気付いてないよな。東京に行くまであと数ヶ月。
やっぱり無理っぽいか。
本当は何人かなんて集まっていない。
できれば二人で、なんて思っていたところに姿を見つけて思わず呼び止めてしまった。
もう一度ため息をこぼして、ポケットから携帯を出した。
「おーオレオレ。なぁ今からカラオケしない?え?女の子?いるわけネェだろ~~お前連れてこいよ。
今店のまえだからさ、部屋とっとくし!」
~後編に続きます~
改訂2016/12/24
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