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春風駘蕩

図書館戦争にずぶずぶはまり、とうとう二次の大陸に到着

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SS昼下がりの椿事 ( 後編 )

ども♪まるちゅでし。

郁ちゃんを泣かせたままでごめんなさい!

ではさくっと後編です。
前編に比べると短いです。

また感想をいただけるとありがたいです!!



☆ 後編 ☆からどうぞ。

拍手[86回]

☆☆☆

昼下がりの椿事 後編



バタンと事務所のドアが開いた。特殊部隊の隊長である玄田が事務所へ戻ってきた。

「おぅっ折口来てたのか?暇だなぁ~!!」
「わざわざ時間を作って来てるのよ!いい気分転換になるし。特に今日はいい目の保養になったし、なかなかの収穫よ~」
「なんだ。なんか特別なもんでも落ちてたか。」
折口がカメラを構えて玄田に微笑んだ。
玄田はその笑顔の先に目をやると、タスクの王子が姫を必死に宥めている姿があった。
「なんだ小牧、うちの姫さんはどうした?」
「ぷくくっお土産のケーキで酔っ払った上に、王子の失言で目下転落中です。」
「なるほど・・・寝落ちするほどじゃないんだな?」
「そうですね。より一層扱いづらい酩酊ですね。」
「こりゃ復活するのか?」
「そうですね。酩酊の状態は私達も初めてですから・・・やはり回復も人より遅いと考えるべきかと。」
「ふむ。ちょっと待ってろよ。」

そう言うと玄田は隊長室へ入っていった。

「ろうじょうきょうかんなんかきらいでしゅっ!!もう!」
「だから謝っただろうが!!」
こちらは相変わらず、低レベルの交渉が続いていた。

「ほれ、笠原これも飲め!」
そこに隊長室から戻った玄田が割り込み、ずいっと紙コップを笠原に渡した。
「あい!隊長飲むでありましゅ!!」
「ちょっと隊長?何ですかそれ!」
「まぁ見てろ堂上。これで解決だ。笠原は早退させろ。小牧、女子寮に連絡しとけ」
「はぁい了解!その旨、女子寮寮監に報告します。」
「こら!笠原飲むな!」
「やでしゅ!教官はやでしゅ!!」
止める堂上の手をすり抜けて、笠原は勢いよくコップを煽った。

「うへぇ~」
「笠原?おいっ笠原?!隊長!!何を飲ませたんだっ」

ピピッ

「あぁ秘蔵のスコッチをストレートだ。俺の秘蔵だぞぉ~お前らには飲ません!」
「隊長室に隠してたのか!」
「むぅ?おい、おまえ等も探そうとしても無駄だからな!諦めろ!」
がっはがっはと豪快な笑い声と共に、事務所中に言い渡して隊長室に入っていった。

「あら~見事に一口で寝落ちしたわねぇ・・・・」折口は屈んで笠原を覗き込み、笠原のほっぺをつんつんとつついた。
堂上は空のコップを笠原の手から取って、くしゃりと握りつぶしてゴミ箱に放った。
ふぅとため息をついてから、寝落ちした笠原をおぶった。

ピピッ

「あら~堂上くん!背負いなれてるのねぇ・・・。」
堂上は折口をちらりと見ただけにして、小牧に
「一応、柴崎にも連絡を頼む。5分後に小牧は手塚は業務に戻ってくれ。」
「はい了解!はぁんちょ」
「あら~私は無視?堂上くん?」
「どうぞお時間が許す限りごゆっくり!」
ものすごいシワを眉間に作りながら、堂上は笠原を背負いなおして、事務所を後にした。

「折口さん。今日の収穫とやらを見せていただけます?」
微笑む小牧に折口も微笑みをかえしながら
「なかなよ。二人ともだだ漏れね。気持ちがよく出てるわよ!」

ピピっとデジカメを操作しながら、撮った画像を次々に披露した。

「うん。・・・・よく撮れてますね。折口さん、このデーターは・・・」
「もちろん門外不出の折口コレクションよ。でも後で堂上君にも渡しといて。」

ふふふと笑いあう二人をよそに、コーヒーや皿を片付ける手塚の姿があった。
平静を保ちながらも、「どうしてこんなので酔えるんだ」と言うことに正直に驚いていた。


特殊部隊の庁舎をでて、平坦な庁舎の前の道を通らずに、野外訓練場をつっきって歩いた。
真っ昼間に人を一人背負って歩く姿はさすがに目立ちすぎる。
トラックで訓練をしている防衛部員の数名がこちらに気付いた。
そんなことにも腹が立つ。
「位置について!!よ~~い」遠くから声がかすかに響く号令。

「ん!!」笠原が堂上の背中で身動きをした。
「おい。今は走らなくていい、休んでろ。」

「・・・きょうかん・・・?おこってるぅ・・・」
「怒ってない」
「・・・ん・・ほんと?」
「あぁ。怒ってない。だから休め。」
「・・・・・。」
寮の玄関に来ると、寮監がすでに待っていた。

「そのまま部屋まで運んでくれる?堂上君」
「はい。大丈夫です」
階段を上がりながらとんとんと笠原の背中をたたく寮監。
「本当に堂上君のこと、信頼してるのね笠原さん。」
「・・・・ただ酔ってるだけです。」
無言でやり過ごしてもいいはずなのに、どうしても小さな言い訳を積み上げてしまうのは、
自分の気持ちが抑える自信が揺らいでいるからだ。
「・・・あなたも大変ね。」
「別に重くないですし、慣れてますので。」
「運ぶことじゃなくて、別のこと。もう逃げられないでしょ?」
そうだった、この人も笠原が誰を追ってここへきたのか知っている一人だった。
心の中で舌打ちをする。

寮監が鍵を開けて堂上を通す。
「あ、堂上君。笠原さんの上着は脱がせられる?スーツじゃ寝にくいでしょうから。」
笠原をベットに転がして、上着を袖から抜き取った。
「慣れてるのね・・・今からこんなことだけ慣れてもねぇ・・・。」
「不憫だわ」と言いたげな顔をした寮監に上着を渡した。
「では後は頼みます。」と言って部屋を後にした。
柴崎相手も疲れるが、寮監相手は、もっと別なところを消耗した気がする。

上着をぬきとった笠原の腕のぬくもり。
受け止めた華奢な手。
意識してはいけない。記憶してもいけない。
そんなことをしっかりと心に刻む努力をしなきゃいけないって事が、
心に閉じ込めた想いの蓋の鍵が、緩んでいる証拠だった。
ぐっと心の鍵を確かめるように、気を引き締める堂上だった。


                                         END
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旦那もち子もち主婦。 明るい自閉症児家庭を築いている天下の器用貧乏。 心は16歳と言い切る図太さをもつ。 基本的にアレルギー体質。 右と左を間違える。 「ず」と「づ」の使い分けが巧くない。 埃じゃ死なない。喘息にはなるけど。
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